スタンフォード大学Dynamic Design Labの研究チームは、改造デロリアンを用いてドリフト走行をテスト。自動運転車における制御の幅を広げようとしている。
・中身は電気自動車仕様に
走行中に極端な状況に直面したときには、プロのレーサーのハンドル/ブレーキさばきが役立つと考えた研究チームは、さっそく自動運転車にこれを教え込んだ。
改造対象車にデロリアンを選んだ理由は、単に研究者の趣味というわけでもないらしい。現代の商用車に備わっている安定性制御システムはじゃまなうえに、後輪駆動で無制限にいじれる車が必要だった。81年製のデロリアンは彼らの要望をすべて完璧に満たしていたとのこと。
とはいっても、制御系は電気自動車仕様にゴッソリ取り替えられ、元のサスペンションではヤワすぎるとのことで、コンポーネントも自作だ。
・プロのレーサーによる技術を自動運転ソフトウェアに組み込む
ルーフにはGPSアンテナを備え、車体の位置を約2.5cm以内の誤差で追跡する。すべての制御は座席後部にあるコンピューターによって行われるという。
プロのレーサーが数十回走行した車の反応をコンピューターで測定し、これをソフトウェアに変換。複雑なルート計算を行う自動運転システムを組み込んだ。
テスト走行では、オーディエンスが見守るなか研究者を乗せたデロリアンは1kmの障害物コースをわずか数分で走破。デロリアンがコーンを避けながら見事にドリフト走行するさまは、動画で確認できる。
すべての自動運転車に、非常時にのみ発動するプロレーサーモードが備わっているとすれば、少しスリリングだ。
- Original:https://techable.jp/archives/114401
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji