新しくリリースされたサードパーティのデータによると、TikTok(ティクトク)には小躍りする理由がある。
モバイルアプリの売上高と使用状況を追跡するスタートアップApptopiaによると、誰もが知るショートビデオアプリであるTikTokのアプリ内購入による売上高が前年同期比310%増となった(ボストン拠点のスタートアップであるApptopiaは、これまでに820万ドル(約8億9000万円)を調達し、AppAnnieと競合している)。
TikTokの売上高増加は、パーセンテージで見ると印象的だ。ApptopiaのAdam Blacker(アダム・ブラッカー)氏が公開したチャートによると、人気のソーシャルアプリのアプリ内購入関連の四半期売上高は5000万ドル(約54億円)と相当の規模に達した。前年同期比でも急速な成長だが、第3四半期のアプリ内購入による売上高約2000万ドル(約22億円)からの増加幅のほうに目を奪われるもしれない。
1つの四半期で5000万ドル(約54億円)なら、年間売上高は数百万ドル(数百億円)も可能だし、株式公開には十分だ。おそらく親会社であるByteDanceを手厚く支援することもできる。
【更新】モバイルアプリ情報ビジネスの別のプレーヤー、SensorTowerはTechCrunchに、上記データが「App StoreとGoogle Playを足した市場合計で、第4四半期のTikTokのアプリ内総費用は中国を除き約8700万ドル(約94億円)、純費用は6200万ドル(約67億円)」であることを示していると語った。さらに、SensorTowerのRandy Nelson(ランディ・ネルソン)氏はメールで、同社の計算によるとTikTokの「年間成長率見込みは521%に近い」と述べた。すごい。
中国に本拠を置くテック企業で、バリュエーションが700億ドル(約7兆6000億円)を超えるByteDance(バイトダンス)は、TikTokのほかにソーシャルメディアサービスのToutiaoで知られる。TikTokは、ByteDanceが2017年後半に買収したMusical.lyと、独自のアプリケーションであるDouyinの融合により生まれた。TikTokは疑う余地のない成功を世界中で収めた。
TikTokは米国市場でも大きな成功を収めたが、親会社が中国政府とつながっている可能性があるとの懸念から、米国政府の複数の組織がその使用を禁止した。
トランプ政権の貿易に対する姿勢に一部起因して、米国と中国の間の緊張は近年高まっており、両国間に密接な結びつきがあるテクノロジー産業にも波及している。
公正かどうかはともかく、Huawei(ファーウェイ)とByteDanceだけが飛び交う砲火の中で捕らえられた中国企業ではないが、現在、大西洋をまたぐ敵意によって制約を受けている最も知られた会社だ。
少なくとも投資家にとっては、ByteDanceは非常に価値ある企業だ。 TechCrunchが2018年に報告したように、同社は800億ドル(8兆6000億円)近くの価値がある。2020年のIPO候補とみられている。おそらく、TikTokのアプリ内購入による売上高の爆発的な成長はSECへの申請にあたって有利に働く。
画像クレジット:Costfoto / Barcroft Media / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:Mizoguchi)