ADHDや自閉症が日常的な行動を忘れず、家族の負担を減らせるよう、日々のルーティンをアプリでリマインドするアプリTiimoが、社会に貢献するスタートアップとして表彰を受けた。累計1万5000ダウンロードを超え、今後の国際展開が期待されている。
日常のやるべき事を視覚的に分かりやすいデザインとゲーム化によって習慣化させるアプリ
ADHD(注意欠陥多動性障害)を抱える患者は世界中に約2億人、自閉症は760万人を数え、その数は増加している。歯を磨く、朝食を食べる、薬を飲むといった日常的な行為は、健常者には簡単でも、ADHDや自閉症患者には記憶し、行為を完了させるのが難しい。注意欠陥や多動性、不安といった症状は、患者本人の教育にも、それを支える家族の生活にも大きな影響を与えてきた。
Tiimoはデジタルツールによって、ADHDや自閉症患者が自律的に生活を送れるよう支援するのを試みている。視覚的にわかりやすいデザインで日常の行為を忘れないようにし、ゲームの仕組みを活用して、楽しみながら作業を完了できるよう工夫をこらしている。
クラウドファンディングで資金調達を行い、国際展開や機械学習を使った診断・治療を目指す
ADHDや自閉症患者、及び、その医師の支援を受けながらアプリの開発が進められ、2019年末の段階で既に1万5000ダウンロードがなされている。月額9.99ドルのサブスクリプション型ビジネスモデルで、収益化を狙う。クラウドファンディングでの資金調達を目指しており、英語圏(米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド)への国際展開や、日本を含めた多言語へのローカライズを計画している。
長期的なビジョンとしては、ユーザーの行動や症状、気分を大量に集めた上で、機械学習で分析を行い、ADHDや自閉症の診断や治療への応用が期待されている。
- Original:https://techable.jp/archives/114707
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之