・病理画像からAIががんの特徴を取得
人工知能の技術は、翻訳から自動運転に至るまでさまざまな分野で利用されており、近年では、AIの持つ可能性を医療に応用するための研究も盛んに行われている。すでに、AIを使い早期胃がんの自動検出法を確立するといった研究が成果をあげており、がん治療へのAI活用についても、精力的に研究が進められてきている。
今回、共同研究グループは、AIが画像上のがんの特徴を、人に教わることなく自動で取得し、それらの情報を人間が理解できる情報として出力する技術の開発に成功した。AIが発見したがんの特徴の中には、すでに世界中で取り入れられているがんの診断基準のほか、専門家も気づいていなかったがん領域以外の部位の特徴が含まれていたという。
・がん治療へAI投入の可能性
さらに、AIが取得した要素の再発予測性能を確かめるために、3つの大学病院の協力を得て検証を実施。AI学習用の分割画像にすると約960億枚に相当する15,000枚以上の病理画像を用いた結果、現在の診断基準よりも高い精度で再発予測に成功した。病理医の診断と合わせて使うことで、予測精度をさらに上げることも可能になるという。
また、まだまだ安全性の面で不明瞭な点も多いということから医療へのAI活用へは不安の声があがることは少なくない。しかし、人間も気がつかなった点をAIが読み取り、高い精度を達成した点は、がん治療の側面からも大きな進歩と言えるのではないだろうか。
今回の発見は、より適切ながん治療の導入に貢献していくに違いない。
- Original:https://techable.jp/archives/114618
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:kawaguchiasuka