いまだに解決されていないスマートフォンの1つ問題は、文字の打ちづらさではないだろうか。
画面に表示されるスクリーンキーボードは、普通のキーボードと比べると圧倒的に小さく、正確な入力には気を使う。特に長い文章やメールを打つのは、なかなか大変な作業と言えるだろう。
こんなスマートフォンの問題に取り組んでいたサムスンが、解決に結びつく新技術を開発し、今月10日まで開催されているCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)2020で発表した。
指の動きをAIが判断
サムスンが「SelfieType」と名付けるその新技術は、スマートフォンのカメラとAIを利用したいわゆるバーチャルキーボードだ。
ユーザーは、何もないテーブル上にキーボードがあると想像してタイプするだけで構わない。スマートフォンの前面(スクリーン側)にあるカメラが指の動きを捉え、その映像をAIが見て、仮想キーボードのどのキーが押されたかを判断する。
サムスンのニュースリリースにはこう書かれている。
SelfieTypeは、前面のセルフィーカメラを利用したバーチャルキーボードです。独自開発の「SelfieType AI エンジン」が前面カメラから送られる指の動きを分析し、QWERTYキーボードの入力に変換します。SelfieTypeは外付けのハードウェアを必要としません。また、スマートフォンだけでなく、タブレットやノートパソコンなど様々なモバイルデバイスに適用できます。
社員から生まれたアイディア
サムスンは、社内のアイディアを実現化する「C-Lab Inside」というプログラムを実施している。
今回のCESでは、このプログラムの5つの成果が披露され、SelfieTypeはそのうちのひとつ。どれも社員がイニシアチブを取って、実験的に進められたプロジェクトだ。
SelfieTypeが同社のスマートフォンに実装されるかは不明だが、もしそうなれば、標準キーボードに慣れたユーザーにとって大きなメリットだ。
- Original:https://techable.jp/archives/114844
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:信人安谷