2019年、Insight Partnersはクラウドデータを管理する企業であるVeeamに5億ドル(約550億円)を投資した。同社はVeeamをすごく気に入ったらしく、米国時間1月9日にこのスイスの企業を50億ドル(約5500億円)で買収したことを発表した。
Veeamは、顧客を支援してクラウドデータのバックアップや障害復旧を実現する。本社はスイスのバールにあり、昨年は売上が10億ドル(約1090億円)だったという。顧客は世界中に36万5000社あり、その中にはFortune 500社の81%が含まれる。
Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、データ管理は企業のますます重要なツールであり、それはデータがオンプレミスでもクラウドでも同じだ。ワン氏は「データ管理の分野は整合が進んでおり、この買収は賢明だ。ハイブリッドクラウドの管理への投資がこのところ増えており、特ににエンタープライズが重視しているのがデータ管理なのだ」と語る。
この買収で生じた大きな変化もある。Veeamのオペレーション担当執行副社長だったWilliam H. Largent(ウィリアム・H・ラージェント)氏がCEOに昇格。製品戦略担当の副社長だったDanny Allan(ダニー・アラン)氏がCTOに昇格する。さらに、本社を米国に移す。米国にはすでにVeeamの社員が1200名いるが、今年はさらに増えるだろう。
新たにCEOになったラージェント氏によると、Veeamは確かに市場では成功しており、現状で買収価額も高いが、今後も単独で行くよりはInsightの傘に入ったほうが伸びしろが大きい。同氏は「今でもVeeamは、Fortune 500社の81%をサポートするなどデータ管理の分野で傑出しているが、Insight Partnersは事業戦略部のInsight Onsiteが強力で、今後はVeeamのソリューションもよりグローバルに採用されていくだろう」と語る。
Insight OnsiteはInsight Partnersの戦略部門として、そのポートフォリオ企業をより大きな成功に導く役割を担っている。主力事業は、企業の営業やマーケティング、そして製品開発部門の育成強化だ。
Veeamには、Amazon Web ServicesとMicrosoft Azure用のバックアップおよびリカバリーツールがある。また、Cisco、IBM、Dell、EMC、HPEなどの大手エンタープライズベンダーとのパートナーシップも多い。
Crunchbaseのデータによると、2006年設立の同社は、今回の買収前の評価額が10億ドル(約1090億円)あまりだ。買収の完了は本年の第1四半期と予想されている。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)