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iOS13の位置情報を共有拒否できる機能、広告業界は対応に苦慮

iOS13 WWDC 2019
 
iOS13では、サードパーティアプリが位置情報を利用しようとすると、ユーザーに許可するか否かを選択させるための通知が定期的に表示されます。この仕様については、以前からユーザーのみならず企業にも影響を与えることが予測されてきましたが、広告業界も少なからず対応を迫られているようです。

大半のユーザーが拒否設定を選択

データ照合企業Location Sciencesの調査によると、同社がモニタリングしているiPhoneユーザーのうち、約7割がリリースされてから6週間以内にiOS13をインストールしました。このうち80%が、バックグラウンドで位置情報をトラッキングするアプリすべてを停止したそうです。
 
広告トラッキング企業Teemoも、アプリを利用していない時もデータを共有することを望む(オプトイン)ユーザーの割合は、50%以下だと指摘します。ところが3年前であれば、この割合は100%に近かったのです。もちろん、ほぼ100%だった理由はユーザーの大半がトラッキングを拒否する選択肢に気づいていなかったためですが、可視化されたことで少なくないユーザーが進んで拒否を選ぶようになりました。
 
「あらゆるレベルで、人々はスマートフォン位置情報の共有停止を選んでいる」と、Location Sciencesの幹部であるジェイソン・スミス氏は話します。

精度の低い位置情報ばかりに

iPhoneユーザーの新たな動向、正確にはAppleの新たな決定に苦慮しているのが広告業界です。
 
キャンペーンの効果測定を行う企業Starcomのポール・カザミアス氏は、オンラインで調べたユーザーがストアでどの程度購入するかや、複数のストアでどのように買い物するかといった情報についての精度が「著しく不透明」になっている、と指摘します。得られる情報の精度が低ければ、中小企業が広告費を削る方針を採るのは避けられません。
 
また、得られる位置情報の質が低下したことも問題となっています。
 
先述したLocation Sciencesのジェイソン・スミス氏は、スマートフォンのGPS経由の位置情報が最も精度が高いと述べたうえで、それらの量が少なくなっていると指摘します。代わりに得られるのは、キャリアや他のインターネットプロトコルから得られる「低品質のデータ」であり、精度が最低の位置情報がマーケターに提供されることも珍しくない、と話します。
 
こうした状況を踏まえると、一見ユーザーフレンドリーに思える位置情報共有の拒否設定は、巡り巡って企業による各ユーザーに最適化した提案を妨げることも意味しており、諸手を挙げて喜ぶというわけにはいかないのかも知れません。
 
 
Source:AppleInsider
(kihachi)

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