Xiaomi(シャオミ)は1月17日、2018年に立ち上げたサブスマートフォンブランド「POCO(ポコ)」をスピンオフさせると発表した。POCOは新会社として中国大手家電から独立し、独自に事業を展開する。
数カ月前には、元Google社員で同社のトップだったJai Mani(ジャイ・マニ)氏と他の創設・主要メンバーがPOCOを去っている。POCOは1月17日、POCOブランドで販売されている唯一のスマートフォンPOCO F1は「成功している」端末だ、と主張した。300ドル(約3万3000円)のPOCO F1は50のマーケットで販売された。
Xiaomiの副社長Manu Kumar Jain(マヌ・クマール・ジェイン)氏は、POCOが短い期間でブランドを確立した、と話した。「POCO F1はユーザーの間でかなり人気のスマホだ。2020年となった現在でも、この部門でトップの座を維持している。今がPOCO独立の時だ。独立したブランドとして、スピンオフを発表できることをうれしく思う」と声明文で述べた。
Xiaomiの広報はPOCOが独立した企業になったことは認めたものの、どのような組織になるのかは明らかにしなかった。
Xiaomiは、OnePlus(ワンプラス)やSamsung(サムスン)の主力スマートフォンと競合するハイエンドでプレミアムな端末を展開するためにPOCOブランドを立ち上げた。2018年に行われたTechCrunchによるインタビューの中で、POCOの責任者Alvin Tse(アルヴィン・ツェ)氏とマニ氏は、多くのスマホ開発に取り組んでいて、そして他のガジェットも検討中だと話した。
当時、POCOには300人の従業員がおり、親会社のXiaomiと「リソースを共有」していた。
「新たな需要を開拓できればいい。消費者がそれまで想像もしなかったような水準の価格で提供できれば、すぐに多くの人が先端技術の利用に関心を示すだろう」とツェ氏はインタビューで話した。
しかし、なぜXiaomiがPOCOブランド下でその他のスマホを展開しなかったのかは、はっきりしない。POCO F1は成功、と主張しているにも関わらずだ。
ローエンド・ミドルレンジのスマホで知られるXiaomiはその後、自らK20 Proのような多くのハイエンドスマホを発売した。実際、今週初めにもXiaomiはインドでいくつかのプレミアムなスマホを展開する計画だと発表した。同社にとってインドは最も重要なマーケットであり、同社はインドで最も売れているスマホメーカーだ。
「あらゆるカテゴリーの製品を網羅することは、Miブランドが2020年も消費者の関心を引き続き持っていただくことに寄与すると考えている。我々はまたMiのラインナップにプレミアムなスマホを加える予定だ。マーケット参入後、Miシリーズはかなりの関心を集めてきた」とXiaomi Indiaでの部門責任者Raghu Reddy(ラグー・レディー)氏は声明文で述べた。
レディー氏の発言は、すべてを説明しているようだ。私の同僚Rita Liaoが2019年に指摘したように、中国のスマホメーカーは、近年、会社のブランドイメージとは異なるスマホを発売する際、サブブランドを立ち上げてきた。Xiaomiは、MiとRedmiがミドルレンジで低価格のスマホブランドと認識されているために、POCOという別のブランドが必要だった。しかしXiaomi自身がプレミアムスマホを展開し始め、それらが消費者の関心を集め始めた際、サブブランドというのは最適なマーケティングツールではないのかもしれない。
また、Xiaomiはさらに大きな懸念要素を抱えている。
Xiaomiの決算について最近TechCrunchで、同社はガジェット頼みをなんとか解消しようとしているが、インターネットサービス事業の拡大に苦戦していると報じた。2019年第3四半期の売上高は537億元(約8620億円)で、第2四半期の519億5000万元(約8340億円)から3.3%増、2018年の第3四半期からは5.5%増だった。
そのうえ、2018年に上場したXiaomiのスマホ事業の2019年第3四半期の売上高は323億元(約5185億円)どまりで、対前年比で7.8%減だった。同四半期中に3210万台のスマホを出荷したが、この出荷減は中国のスマホ市場「停滞」のため、と同社はしている。
画像クレジット: Anindito Mukherjee / Bloomberg / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)