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次の売れ線はコレだね!トヨタ「ライズ」は小さいけれど広くて使える高コスパSUV

運転しやすいコンパクトサイズでありながら、室内やラゲッジスペースは広くて実用的。その上、価格はリーズナブル…。

今、多くの人が望んでいるのは、そうした身の丈に合ったクルマかもしれない。しかも、ボディタイプが流行のSUVなら、さらに魅力に映るだろう。

今回紹介するのは、そんなニーズにジャストフィットするコンパクトSUV、トヨタ「ライズ」だ。

■トヨタ最小のSUVでも後席や荷室は驚きの広さ

実はライズというクルマ、商品企画こそトヨタが行っているが、基本的な設計や開発、そして生産は、ダイハツ工業が行っている。つまりトヨタにとっては、“OEM(相手先ブランド)”モデルだ。

そのためダイハツも、基本的に同じモデルである「ロッキー」をラインナップし、販売している。ちなみにライズとロッキーは、一部のデザインと装備内容が異なるものの、基本的には同じクルマ。見た目の好みに合わせて選べばいいだろう。

そんなライズのポイントは、コンパクトなボディサイズだ。どのくらい小さいかといえば、「ランドクルーザー」を頂点とするトヨタのSUVラインナップの中で最小。2019年に新型がデビューするや、たちまちヒットモデルとなった「RAV4」や、コンパクトクロスオーバーカーの「C-HR」と比べても、さらにコンパクトなのだ。

ライズの全長は3995mmと4mを切り、全幅は1695mmと今や貴重な5ナンバーサイズ。小さい(けれど軽自動車ではない)SUVを待ち望んでいた人にとって、まさにジャストサイズといっていいだろう。

一方、ボディは小さいけれど、居住性に優れているのもライズの大きな特徴。車体を真横から見ると一目瞭然だが、全長の割にボンネットが驚くほど短く、広い居住スペースが確保されているのが分かる。

例えば、ひとクラス上のC-HRは、スポーティな雰囲気を重視した結果、キャビン上方の絞り込みが大きく、リアシートは広くないし、座ると閉塞感がある。スタイルはカッコいいものの、ファミリーユースにオススメと胸を張ってはいえない。

その点ライズなら、リアシートも広いので、ファミリーユースにも持ってこいだ。ちなみに、前後席間の距離は900mmもとられていて、後席はゆったり足を組んで座れるほど。その広さには正直いって驚かされる。実用性を重視した設計で、パッケージングが秀逸なのだ。

さらにお見事なのがラゲッジスペース。こちらもリアシートに負けず劣らず、十分な広さが確保されている。リアシート使用時の荷室容量は、可動式のフロアボードを下段にセットした状態で369L。これは、コンパクトSUVの中でトップクラスだ。ひと回り車体が大きいC-HRの318Lを凌駕し、ひとつクラス上のカテゴリーでナンバーワンの実力を備えるホンダ「ヴェゼル」の393Lに迫る。

さらに荷室床下に用意されるサブトランクは、FF仕様の場合、フロアボードを下段にセットした状態で深さ215mm&80L(4WD仕様は深さ135mm&80L)、フロアボードを上段にセットすると深さ340mm&145L(4WD仕様は深さ260mm&104L)という、驚異的なスペースを確保している。

このようにライズには、小さなボディサイズにはとても見合わない、驚きの実用性が詰まっているのだ。

■日常使いでは全く不満のない走りの完成度

ライズに搭載されるパワーユニットは全グレード共通の1リッター3気筒ターボで、新開発されたCVTと組み合わされる。また駆動方式は、FFと4WDとが選べる。

エンジンの排気量が小さいため、心許なく感じる人がいるかもしれないが、実際に運転してみるとそれは杞憂に過ぎないことが分かる。最高出力98馬力、最大トルク14.3kgf-mというスペックは、1.5リッターの自然吸気エンジンに匹敵するもの。その上、昨今のターボエンジンらしく、最大トルクを2400回転という低い回転数から発生するから、出来のいい高効率のCVTと相まって、発進や加速の際も想像以上に力強い。

さすがに、上り坂など高負荷がかかる条件下では、アクセルペダルを踏み込んだ際の“ここ一発”のパンチ力に乏しいが、日常使いでは全く不満のないレベルといっていい。3気筒エンジンで気になりがちな振動面など、エンジンのあらさも目立たず、かなり巧みに煮詰められている印象だ。

そんなライズをドライブしていて個人的に気に入ったのが、メーターパネルのデザイン。中間グレードである「G」以上に搭載される液晶メーターは表示切り替え式なのだが、これまでにはない斬新なグラフィックが用意されていて、見るだけで楽しくなってくる。

ちょっと大げさにいえば、このメーターのためにライズを選びたいといっても過言ではないほどだ。

■気軽に乗れる独自のサブスクプランも用意

実用性も走りも上出来のライズは、コストパフォーマンスがいいという、さらなる魅力も備えている。最もベーシックな「X」グレードは、イマドキ軽自動車の上級グレードとほぼ同等の167万9000円。Xには衝突回避支援ブレーキを始めとする先進安全装備が装備されないが、ひとつ上の「X“S”」グレードであれば、ひと通りの先進安全装備を組み込んだ上で、174万5000円となる。抜群の実用性を備えながら、お手頃な価格に抑えたライズがヒットしないはずはない。実際、発売1カ月で約3万2000台もの受注を得たのは、当然の成り行きといえるだろう。

ちなみにトヨタは、“KINTO(キント)”と呼ばれるサブスクリプションサービスを展開。車両価格にメンテナンス代金や税金、さらに任意保険料まで含めた定額を毎月支払うことで、クルマを利用できるプランを提供しているが、ライズの場合、月々の支払いは税込わずか3万9820円〜。このように、気軽に所有できるプランが用意されているのも、ライズの魅力といえるだろう。

ライズは抜群の実用性を備えながら、SUVというトレンドを押さえたクルマであり、しかもリーズナブルと3拍子そろっている。コスパに厳しい今という世相を反映した、魅力ある1台といえるだろう。

<SPECIFICATIONS>
☆Z(2WD)
ボディサイズ:L3995×W1695×H1620mm
車重:980kg
駆動方式:FF
エンジン:996cc 直列3気筒 DOHC ターボ
トランスミッション:CVT
最高出力:98馬力/6000回転
最大トルク:14.3kgf-m/2400~4000回転
価格:206万円

(文/工藤貴宏 写真/&GP編集部)

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