中国最大のオーディオコンテンツアプリの1つであるLizhiが、ティッカーシンボル「LIZI」として米国時間1月17日にNasdaq(ナスダック)に上場した。主要なライバルのXimalaya(シマラヤ)やDragonfly(ドラゴンフライ)のうち、米国で上場したのはLizhiが初めてだ。LizhiのIPO価格11ドル(約1200円)で410万株が売り出された。ちなみにXimalayaも、今年後半には米国で上場する見込みだ。
Lizhi、Ximalaya、Dragonflyはそれぞれポッドキャストやオーディオブック、ライブストリームを提供しているが、LizhiはXiaomi(シャオミ)、TPG、Matrix Partners China、Morningside Venture Capital、Orchid Asiaなどから出資を受けており、アプリの録音ツールで作られたユーザー生成コンテンツに力を入れることで差別化を図っている。
市場調査会社のiResearchによると、Lizhiは中国で最大のユーザー生成オーディオコンテンツのコミュニティを保持している。同社によると、2019年第3四半期(7月〜9月)の月間モバイルアクティブユーザー数は平均4660万人、月間アクティブコンテンツ作成者は平均570万人だった。米国でのポッドキャストは通常、広告や購読に基づいた収益モデルを採用しているが、Lizhiやその他の中国のポッドキャストアプリの制作者は、ビデオのライブストリーム中に視聴者が購入するのと同様のバーチャルギフトを通じて収益化している。
Lizhiの最高経営責任者(CEO)のMarco Lai(マルコ・ライ)氏はTechCrunchとのインタビューで、同社はIPOで得た資金を製品開発とAI(人工知能)技術に投資する計画だと述べた。LizhiはAI技術を使ってポッドキャストを配信しており、コンテンツのクリック率は31%だという。AI技術はコンテンツを監視したり、ユーザーのエンゲージメントデータを即座に提供したり、録画を微調整したり、ノイズを減らしたり、3Dオーディオを作成したりするための機能の提供にも使われる。
急速な成長にもかかわらず、中国のオンラインオーディオはまだ新しい分野だとライ氏は語る。2018年には、中国のモバイルインターネットユーザー全体の約45.5%がオンラインオーディオコンテンツを視聴したが、スマートスピーカーのようなIoTデバイスが特に小都市で人気が高まるにつれて、その割合はさらに増加すると予想されている。Lizhiはスマートスピーカー 「Xiaodu」 でBaiduと提携しており、IoTデバイス向けのコンテンツ配信の新しい方法を開発していると同氏は述べている。
[原文へ]
(翻訳:塚本直樹 Twitter)