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NASAの宇宙望遠鏡「スピッツァー」、1月30日にシャットダウンへ

赤外線による観測で、今まで見えなかった宇宙を見せてくれた「スピッツァー」が1月30日にミッションを終える。この宇宙望遠鏡は、計画外に長期の16年間にわたって稼働し、太陽系内の小惑星から宇宙の果ての銀河までを捉えてきた。

自身が発する赤外線を抑えるために超低温(- 267℃)で動作するよう設計されているが、2009年にはとうに冷却材は尽きている。やや感度を落としながらもそこから10年以上稼働し、その間も偉大な発見を数多く残してきた。

・地球サイズの惑星を発見

Credits: NASA/JPL-Caltech

スピッツァーが2003年に打ち上げられた当初、太陽系外惑星は数えるほどしか見つかっていなかった。スピッツァーは、大気や地球が発する赤外線の影響を受けることもなく、非常に弱い赤外光源まで検出できる。

この能力を活かして、系外惑星をいくつも発見。大気中の分子を検出して温度の変動まで測定した。また、惑星が主星の前を通過するときの減光を利用した「トランジット法」を利用して地球サイズの惑星も複数発見している。

惑星や星の形成に関わる星間塵も捉えられて、分光器によりその組成分析も可能だ。

・ハッブル宇宙望遠鏡と共に最古の銀河も観測

Credits: NASA/JPL-Caltech

最も印象深いのは、ハッブル宇宙望遠鏡と共に観測した134億年前の銀河。現在の宇宙の年齢が138億歳といわれていて、ごく初期に形成されたものだとわかる。2つの宇宙望遠鏡は、初期の銀河が予想よりも重いことを見出し、銀河形成の知見となった。

近場でいえば、土星の周りに、これまで知られてなかったリングを発見したこともある。

地球から遠く離れることでその能力を発揮してきたスピッツァーだが、いよいよその距離が問題になってきた。新たな赤外線観測望遠鏡として、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げが2021年に予定されており、さらなる発見をもたらしてくれるに違いない。

参照元:NASA Celebrates the Legacy of the Spitzer Space Telescope/ NASA

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