Spotifyは、新しいストーリー機能をソーシャルメディアのインフルエンサーの間でテストしていることを正式に認めたが、それに続き、米国時間1月27日の午前、アーティストがInstagram上でファンたちとつながる新しい方法を発表した。ただしこれは、Spotifyストーリーを他のソーシャルメディアで公開するのではなく、SpotifyのCanvas(キャンバス)機能で制作した独自のビデオアートをInstagramでシェアできるようにするものだ。
2019年秋にベータ公開されたCanvasは、アーティストがアルバムアートの代わりに動きのあるビジュアルの短い動画を曲の再生中にループで流せる仕組みだ。Canvasビデオのレビューにおける評判はさまざまで、目障りだというユーザーも、気に入っているというユーザーもいる。
今日、1月27日から、Canvasベータを使っているアーティスト数千人が、タップひとつで自身のループ動画をInstagramに公開できるようになる。
Spotify for Artistsアプリのアーティスト・プロフィール画面で、Canvasビデオのある楽曲の横には「Share(シェア)」アイコンが表示される。タップすると、その曲とCanvasがInstagramストーリーでシェアされる。これまでのSpotifyのシェアと同じように、カバーアートとSpotifyで曲を再生するためのリンクがある。ただし、再生すると背景がループ動画になる。
現在、Canvasベータを利用できるのは、iOS版のSpotify for Artistsアプリを使っている人だけだ。Spotifyは近々Android版にも同機能を搭載するとしている。
なお、InstagramでCanvasを見たファンは、クリックしてSpotifyに飛ばない限りCanvasの統計情報にはカウントされない。
新機能は、新曲をInstagram上でファンに宣伝したいアーティストを支援すると同時に、Canvasの機能追加を広く知らせるためのものでもある。他にもミュージックビデオのクリップや、ライブパフォーマンスの画像を表示する機能もある。
Canvasを活用している有名アーティストの1人が、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)で、つい昨日、1月26日にグラミー賞の主要4部門(最優秀新人賞、年間最優秀レコード賞、年間最優秀アルバム賞、年間最優秀楽曲賞)を独占した。アイリッシュはCanvasでアニメバージョンのファンアート(ファンが描いた絵)をシェアしてファン層との結びつきを強めている。
Spotifyによると、質の高いCanvasを作ることで、楽曲のシェアが最大200%増加し、ストリーミング、セーブ、アーティスト・プロファイルのアクセスも増えたという。CanvasをInstagramに拡大することで、さらにシェア回数が増えるだろうと同社は確信している。
Spotifyは、ストーリー機能やCanvasのループ動画など、ソーシャルメディアを意識した機能を追加しているが、自社のSpotifyを新たなソーシャルプラットフォームにしようという意志はない。代わりに、アーティストやリスナーが、別のソーシャルメディアにいるファンたちとつながりやすくする機能の構築に注力している。これらは自分自身や楽曲を売り込んだりフォロワーが新しい音楽を発見するための機能だ。
Canvasに興味のあるアーティストはここでウェイティングリストに入ることができる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )