太陽の活動は、通信システムや電力網などに深刻な影響を与えるもの。Inouye太陽望遠鏡の活用により、磁気嵐による重要なシステムへの被害を未然に防げるようになるかもしれない。
・世界最大のミラーを備えた太陽望遠鏡
ハワイのマウイ島にあるこの望遠鏡は、約4mと世界最大のミラーを備え、遮るもののないハレアカラ山頂(標高3055m)から太陽を観測する。特殊な冷却システムにより、太陽観測で発生する熱からシステムを保護。これには夜間に作られた氷が利用されるとのこと。
また、最先端の光学技術により地球の大気によるぼやけを補正し、設計の工夫で焦点を正確に合わせられる。
・コロナ内の磁場をマッピング
Inouye太陽望遠鏡は、こうした数々の革新的技術により、太陽の噴火に関わるコロナ内の磁場をマッピングできる。太陽の磁場を詳細に測定することで、太陽活動のメカニズムを解明し、将来的には磁気嵐の予測にも役立つ可能性があるという。現在の磁気嵐の通知は約48分前が標準とのことだが、もっと前もって通知が可能になれば、インフラや衛星など重要なシステムへの悪影響は最小限に防げるだろう。
Inouye太陽望遠鏡は、NASAの宇宙探査機、パーカー・ソーラー・プローブや欧州宇宙機関(ESA)が開発中の太陽観測衛星、ソーラー・オービターと連携して、宇宙天気予報の精度向上を目指すとしている。
参照元:NSF’s newest solar telescope produces first images/ NSF
- Original:https://techable.jp/archives/116135
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji