KDDI株式会社は、グローバル・ブレイン株式会社(GB)の運営する「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、生体認証技術の開発およびソリューションサービスを提供するGTRIIP Global Inc.へ出資したことを発表した。
シンガポール拠点第1号出資案件
同社はこれまで、コーポレートベンチャーファンドとしてベンチャー企業を広く支援するKDDI Open Innovation Fundを通じ、シンガポール、インドネシアなどの東南アジアのスタートアップへの出資を行ってきた。2011年の米国シリコンバレー、2016年の韓国ソウルに続き、2019年6月にはシンガポールに同ファンド3つ目の海外活動拠点を開設。このたびシンガポール拠点の活動による第1号出資案件となる出資を行った。
出資先は、生体認証技術の開発と、シンガポールをはじめとしたアジア全域で生体認証技術を活用したソリューションサービスを提供するGTRIIP Global Inc.だ。
GTRIIPは、米国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置き、宿泊施設でのチェックインや滞在期間のシームレス化を実現すべく同ソリューションを提供している。GBは今回の出資について、GTRIIPの持つホテルをはじめとしたホスピタリティ市場への深い知見、高い技術力、そして経営力を評価し決定したとしている。
生体認証技術でシームレスを実現
GTRIIPのソリューションは現在、シンガポールやマカオの5つ星ホテルなど13,000室に導入済みである。宿泊客は、スマートフォンへ事前登録したパスポート写真と、ホテル到着時にスマートフォンで撮影する顔写真で個人認証が完了するという仕組みだ。これにより、フロント受付不要で自動チェックインできるため、チェックインにかかる時間が短縮される。
また、スマートフォンが部屋の鍵、テレビや照明、エアコンなどのリモコンとしても機能するため、スマートフォンひとつでチェックインから滞在中までシームレスに過ごせるという。
同ソリューションはホテルのみならず、オフィスやイベント会場のチケット認証など個人認証が必要となる施設に幅広く適用が可能とのことだ。
このたび出資した「KDDI Open Innovation Fund 3号」は、運用総額約200億円規模で、AI、IoT、ビッグデータ、フィンテックを注力領域としている。KDDIは「ワクワクを提案し続ける会社」として、通信とライフデザインの融合を推進し、有望なスタートアップ企業への出資を通じたビジネス共創ならびに新しい体験価値の創造を促進していくとのこと。
- Original:https://techable.jp/archives/116318
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口