スマートフォンマーケットの成長鈍化が続く中で、BlackBerry(ブラックベリー)とTCLの行く先に大きな変化が待ち構えている。両社は米国時間2月3日、4年間のブランドライセンスとテックサポートの提携を2020年8月に終了すると発表した。つまり、2020年8月以降はTCLはBlackBerry携帯の新モデル製造は行わない。スマホマーケット全体の1%のシェアしか持たないTCLは、マーケットに出回っているモデルのサポートを2022年8月31日まで続ける。
BlackBerryのTwitterアカウントには「残念なお知らせだが、2020年8月31日をもってTCL CommunicationはBlackBerryブランドの携帯端末の取り扱いを終了する」と投稿されている。「TCLは今後、新たなBlackBerryモバイル端末をデザイン、製造、販売する権利を有さない」ともある。
TCLとの提携解消が新たなBlackBerryモバイル端末にとって何を意味するのか、BlackBerryはまだ何も詳細情報は出していない。なお、TechCrunchは直接問い合わせているがまだ返事がない。Twitter上での一般からの質問にも反応はない。
独自のオペレーティングシステムを使ったデバイスを展開してきたBlackBerryは、かつてスマホ業界のマーケットリーダーであり先駆者だった。小さいながらもフルQWERTYキーボードはプロフェッショナルのユーザーやセミプロ、そのほかアーリーアダプターの間で人気があった。BlackBerryはカナダで創業したが、ピーク時には米国のスマホマーケットの50%を、グローバルマーケットの20%を占めた。
しかしそれはタッチスクリーンが登場する前のことだ。Apple(アップル)のiPhoneや一連のAndroid端末が登場してからは、Research In Motion(BlackBerryの旧社名)は消費者の嗜好の変化に対応する十分に競争力を持つ端末の生産に失敗し、次第にマーケットシェアを失った。
RIM/BlackBerryは、TCLと提携するまではセキュリティや企業向けサービス、コネクテッドカーのようなハードウェアのためのシステムにフォーカスするために、スマホマーケットを去る準備ができているように見えた。
TCLは2016年12月にBlackBerry端末生産を引き継ぐと発表した。BlackBerryがセキュリティとアプリを提供したが、OSは含まれなかった。その数カ月前には、かつて人気を博した端末ブランドNokia(ノキア)がAndroidスマホの生産でHMDと提携していた。しかしTCLとBlackBerryの提携はBlackBerryブランドを存続させるための新たなリースのようなものだった。
BlackBerryの変化はわずかで遅すぎたのかもしれない。多くの国でスマホが浸透し、この数年間はスマホ市場の成長は鈍化していた。デバイスの買い替えも以前ほどない。その上、アジアで新たなAndroidスマホメーカーが出現し、売上を占有した。Huawei(ファーウェイ)やXiaomi(シャオミ)、Oppo(オッポ)の躍進でBlackBerryの販売はさらに厳しいものになった。
TCLとBlackBerryは目覚ましい売上を上げるのに苦戦したというのが最終結果だ。メジャーなスマホメーカーになれず、スマホマーケットシェアのレポートでは「その他」に分類された。
Strategy Analyticsによると、BlackBerryとAlcatel(アルカテル)の両ブランドをカバーするグローバルスマホマーケットで、TCLのシェアはわずか1%とのこと。ちなみに、AlcatelもTCLが蘇らせたレガシー携帯だ。
直近では、TCLはBlackBerry、そしてAlcatelとともに自前ブランドのデバイスも投入してマーケットを開拓していた。なのでBlackBerryとの提携の解消はだいぶ前からおそらく決まっていたのだろう。
端末に関する今後の計画について何か情報があるのか、それともこれで本当におしまいなのか、我々はBlackBerryに問い合わせている。BlackBerryが以前インドネシアでライセンスパートナーシップを結んで端末生産を合弁会社に委託したように、特定のマーケットで今後動きがあるかもしれない。
画像クレジット:GLENN CHAPMAN/AFP / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)