Uber Japanは2月4日、2019年に日本で開催されたラグビーワールドカップ2019で、Uberのサービスがどのように使われたのかについて、報道関係者受けのメディアラウンドテーブルを開催した。登壇したのは、UberのAPAC(アジアパシフィック)でディレクターを務めるÉmilie Potvin(エミリー・ポトビン)氏。
まずUberの現状について、国内では11都市でサービスを展開しているほか、地方自治体と協力して高齢者向けの移動サービスを実施していると説明した。またデリバリーシェアリングサービスのUber Eatsについては10都市で展開しており、約1万4000件のレストランを利用可能とのこと。アジアでの利用回数は10億回を超えているなど、同社では最速で展開しているビジネスだそうだ。
同氏によると、2020年は東京五輪などで4000万人以上の観光客が来日すると見込まれており、日本にとってエキサイティングな年になることは間違いと語った。また。4年前のブラジル・リオデジャネイロのオリンピックでは、Uberアプリを利用したユーザーは70カ国におよび、ブラジルのドライバーの収入アップに寄与したことを例に挙げた。
質疑応答でポトビン氏は、JUMPというサービス名で知られる電動アシスト自転車や電動キックボードの国内でのサービスの展開については、「JUMPについては地方自治体などと話し合いを進めている最中だが、今後強力に推し進めていきたい」と語った。また都内ではハイヤー中心でタクシー会社とテ形できていない点については「Uberとしてはさまざまなタクシー会社と連携したいと考えている」と述べるに留まった。とはいえ、都内ではJapaxTaxiを筆頭に、ソフトバンク系のDiDiやDeNA系のMOVなどのプラットフォーマーがタクシー会社を取り合いをしており、Uberが入り込む余地はあまりないと考えられる。
またアジア展開については、Grabに事業を丸ごと売却した東南アジアを除くと、日本と韓国、オーストラリア、台湾、香港、そしてインドでサービスを展開中とのこと。特に台湾の事業は順調に推移しているそうだ。ちなみに、ライバルのJapanTaxiは、韓国のカカオT、台湾のLINE TAXI、東南アジアのGrabと連携しており、各アプリからJapanTaxi加盟のタクシーを呼べる仕組みが出来上がっている。東京五輪でも訪日外国人向けに配車サービス会社同士の戦いは熾烈を極めそうだ。
今回発表された数字はほとんどがパーセンテージで実数は明らかにされなかったが、日本国内ではハイヤー・タクシー配車事業よりも、Eats事業が順調だという印象を受けた。国内導入に向けて交渉中の電動キックボード事業は、道路交通法などの参入障壁が高いもののの、免許やヘルメット着用、ナンバープレート装着などが不要な電動アシスト自転車のシェアリングであれば現実的かもしれない。