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米セブン-イレブンがレジレス実験開始、Amazon Go対抗へ

米国の大手コンビニチェーンであるセブン-イレブンがレジレス(キャッシャーレス)店舗の実験に参入する。これはAmazonがレジレス店舗、Amazon Goの普及を図るキャンペーンに力を入れていることへの対抗だ。

今週、セブン-イレブンはテキサス州アービングの本社近くに65平方mのレジレス店舗をオープンする。ただし当面利用できるのは同社の社員に限られる。レジレス店舗ではテクノロジーが人間のレジ係の代りを務める。購入と支払いのプロセスを管理するだけでなく、在庫もモニターする。

この店は飲料、スナック、料理、生鮮食品、市販薬そのほか、セブン-イレブンで売れ筋の商品をそろえる。品揃えはテストからのフィードバックによって修正される。

Amazon Goと同様、セブン-イレブンのパイロット店舗もモバイルアプリから利用する。顧客はアプリを利用して入店チェックイン、支払い、レシートの受け取りを行う。

同社によれば、システムはアルゴリズムをユーザー別にカスタマイズし、AIテクノロジーによって顧客行動の予測を行うという。シニア・バイスプレジデントであるCIOのMani Suri(マニ・スリ)氏は声明で以下のように述べている。

セブン-イレブンの目的は、顧客のショッピング体験を過去の行動から期待されるものに近づけ、スムーズかつ高速にすることだ。新種の店舗の一般公開に先立って、当社社員に公開することは現実の条件で新しいテクノロジーをテストする絶好の方法だと考える。社員であればネガティブな体験についても気兼ねなくフィードバックできるため、セブン-イレブンがシステムの動作を詳細に学び、必要があれ改善することを容易にする。このインハウスで収集された体験をベースにセブン-イレブンでは現在および将来のカスタマー・テクノロジーを構築することができる。

セブン-イレブンではこれまでもオンデマンドの配達モバイルアプリを利用した支払いなど最新のテクノロジーを利用したサービス導入に積極的だったが、AmazonがGoでコンビニ店舗ビジネスに正面から参入してきた以上、これに対抗するシステムの構築に向かうのは必然的だった。

しかしキャッシャーレス店舗市場への参入を図っているのはもちろんセブン-イレブンだけではない。

2018年にAmazon Goのコンセプトが発表されて以後、大手スーパーチェーンではWalmart(ウォルマート)本体、グループのSam’s Club (サムズクラブ)、またGiant EagleチェーンがAmazon Goに似たAIを始め各種のテクノロジーのテストを開始している。またStandard CognitionZippinGrabangoAiFiTrigoなどの会社はレジレスの店舗運営ソリューションを小売企業に販売しようと試みている。

パイロットプログラムは進行中だが、一般向けのキャッシャーレス店舗がいつオープンされるのかについては発表されていない。また利用される独自テクノロジーの詳細も不明だが、レジレス店舗は通常、カメラ、センサー、AIを複合したシステムとなるのが普通だ。

セブン-イレブングループはライセンスを付与したぶんも含め、17カ国でフランチャイズ7万店を運営している。うち北米には1万1800店舗がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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