Appleの直営店は、数十ヶ所の国に存在しているにもかかわらず、キューバにApple Storeは存在しません。
キューバは、インターネット上の自由度ランキングで不自由判定を受けている国であり、国民のほとんどがインターネットに自由にアクセスすることができない状態です。
近年、米国とキューバの国交正常化は進んでいるものの、未だ、対キューバ禁輸措置は解除されておらず、キューバにApple Storeがオープンするのはまだまだ先でしょう。
しかし、AppleInsiderは、そう遠くない将来、キューバにApple製品が広く浸透するだろうと予想しています。
iPhoneと禁輸措置
Apple製品が世界に普及し始めた頃、冷戦が進行中で禁輸措置も実施されていたため、キューバにApple製品が普及することはありませんでした。
2009年にアメリカ合衆国国際開発庁(USAID)の下請け業者であるアラン・グロスが、キューバに違法な通信衛星機を設置したとして逮捕され、5年近く投獄されました。
当時、彼がキューバに持ち込んだ製品の中には、iPod 12台とMacBook 3台が含まれていました。
数年後、元大統領バラク・オバマの政権下では、禁輸措置の完全解除とならなかったものの、規制の緩和が進められました。
2014年には、オバマ元大統領はキューバと国交正常化を目指すと発表し、他の規制についても撤廃、2016年には元オバマ大統領がキューバを訪問しました。
2015年、Appleは独自の制限国リストからキューバを削除しましたが、トランプ政権によって渡航制限などが復活し、オバマ政権時代の政策の一部を変更しています。
キューバ国民のほとんどは、Wi-Fi経由でインターネットに接続する際、国営通信企業ETECSAからアクセスカードを購入し、12桁のコードを入力してアクセスする必要があります。
キューバでAppleが浸透
ハバナや、その他のキューバの都市では、一部のタクシーに、Appleのロゴステッカーが貼られています。あるタクシーの運転手によると、特別な意味はなく観賞用に貼っているとの事です。
一方、キューバの中心部にあるサンタクララでは、Appleのロゴの入った木製のパネルが設置されたDr.iPhoneというお店があり、店内に数十個のiPhoneが展示されています。
店のFacebookページでは、Neuralcamを含むアプリパックを5 CUC(約5ドル)で提供していることが記載されていますが、禁輸措置が実施されている中で、どのように供給されているのかは不明です。
一方、ハバナ国立美術館では、現在、アーティスト・ホセ・トイラックによる展示会が開催されています。展示会では、Appleの広告キャンペーンスローガンThink Differentと、フィデル・カストロの画像が組み合わされた作品がありますが、政治と広告には共通するものがあるという展示説明がなされています。
キューバでのAppleの将来とは
米国とキューバの関係改善はゆっくりと進んでおり、対キューバ禁輸措置は完全解除されないままの状態です。そのため、キューバにApple Storeが登場するのは、まだまだ先のことになるでしょう。
しかし、禁輸措置が解除されインターネットのアクセスが増加すれば、今から10年後には、キューバでもiPhoneがある光景が当たり前のように広がっているだろうと予想されます。
Source:Appleinsider
Photo:Dr. iPhone/Facebook
(m7000)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-273799/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania