無料ストリーミングサービスのTubiが成長している。米国時間2月11日、同社は月間アクティブユーザー数が2019年6月に発表した2000万人からさらに増えて、2019年12月時点で2500万人に達したと発表した。同社のユーザーの12月の合計視聴時間は1億6300時間で、前年比の160%だという。
Tubiは、2019年には米国以外の市場でも大幅に成長し、カナダとオーストラリアでは合計視聴時間が357%増加したとしている。
同社は、ユーザー数と視聴時間をTubiブランドのアプリが操作されているユニークデバイスの数から算出しており、組み込み型のプレイヤーやクリップは含めていないという。
これらの数字が信頼できるとすれば、Tubiは消費者がテレビを見ている時間の相当な部分を獲得したことになる。
12月は数字が大きくなる傾向があることにも注意が必要だ。クリスマス休暇の時期で、人々がテレビを見る時間はいつもより多い。
とはいえ、Tubiが発表した数字は、Netflixを補うものとして無料の広告付きストリーミングを受け入れる消費者が増えていることを表している。ことに、ライブラリの人気タイトルはストリーマーのコンテンツとは一線を画す。市場にはストリーミングプロバイダが提供する選択肢(その多くは費用がかかる)があふれているが、Tubiはその市場において独自の地位を築いている。
また、Tubiの視聴者数の増加は2019年に取り組んできたパートナーとの連携からもたらされたようだ。
現在Tubiは、Roku、Fire TV、Apple TVなどのストリーミングデバイスや、さらにモバイル、ウェブ、ゲーム機でも見ることができる。ComcastやCoxといったテレビプロバイダとも契約し、現在でも大きな市場である有料テレビの視聴者に無料のストリーミングライブラリを提供している。 さらに最近ではテレビメーカーのHisenseと契約する一方、スペイン語のコンテンツを提供するためにメキシコのテレビ局のTV Aztecaとも契約したと発表した。
Tubiはワーナーブロス、パラマウント、ライオンズゲートなど250以上のコンテンツパートナーを得てサービスを加速させている。コンテンツに1億ドル(約110億円)以上を投資して、2020年には現在2万本ある映画や番組のライブラリをさらに増やす計画だ。
同社は、従業員が2018年より78%増え、2019年末には正社員が229人になったことも発表した。
Tubiにライバルがいないわけではない。プラットフォーム企業は無料ストリーミングの市場に参入している。Rokuは無料ストリーミングハブのRoku Channelを開設し、AmazonにはFire TVなどで見られるIMDb TVがある。ViacomCBSも買収によってPluto TVを持つことになり、ウォルマートは無料映画サービスを含むVuduの運営を続けている。今年後半にはNBCUも独自の無料広告ストリーミングサービスを提供するPeacockを始める計画だ。
TubiのCEOのFarhad Massoudi(ファルハド・マスディ)氏は発表の中で「昨年の我々の成長は、現在の混乱した市場において我々の集中戦略が成功したことの証明だ。世界中の人々がサブスクリプションビデオを補完するものとしてTubiを受け入れたことを喜び、2020年には優れたコンテンツのライブラリをさらに増やす計画だ」と述べている。
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(翻訳:Kaori Koyama)