【特集】モノ賢者の買い物リスト
ショッピングでもゲームでも、成功を収めるためにはコツやツボは必須。そこで進化や動きの激しい8つのカテゴリーをピックアップし、その道の7賢者にホントに良いモノを選ぶためのポイントを挙げてもらった。今回は焚き火台だ。
焚き火台はある程度の大きさがないとせわしなくなり、薄くてペラペラだと高熱に耐えられない。多少重くても仕方がないとされてきたが、今季はコンパクト収納なのに組み立て簡単、長い薪を使える優秀な焚き火台がそろい踏みしている。
アウトドアプロデューサー 牛田浩一さん
ブランドPRやイベント運営など、多角的にアウトドア業界を盛り上げる。休日は登山やキャンプ、釣り、スノ ーボードなどアウトドア三昧のアウトドアの達人。近著に『キャンプの雑学大全2020実用版』(三才ブックス)
■焚き火は“炎”を体験できる貴重な時間
長らく、焚き火=秋冬キャンプのお楽しみだったが、10年ほど前より夏でも焚き火を楽しむキャンパーが目立ってきた。なぜ焚き火を愛するキャンパーが増えたのだろうか。
「暖をとる、調理できるという実用性はもちろん、炎のゆらめき、薪がパチパチはぜる音は飽きることがありません。小さな火から熾火へと育てるのも楽しい」とアウトドアプロデューサーの牛田浩一さんは話す。
自宅ではIH化が進み、ストーブも姿を消しつつある今、炎を見る機会は少ない。焚き火は炎を体験できる貴重な時間だ。手をかけて育てた炎は美しく、はぜる音は天然の音楽であり揺れる炎は質のいい映画に匹敵する。これに多くのキャンパーが気づいたのではないだろうか。
また、焚き火人気の上昇に伴い、新機構の焚き火台が続々登場している。自分のキャンプスタイルに合う道具を選べるようになったのはありがたい。
「近年はファミリーだけでなく、ソロキャンプやグループキャンプも人気。スタイルだって多様化しており、そうしたニーズに応えるように焚き火台が多様化しています。小型・軽量化に特化したものから大型ながらコンパクト収納、組み立てが簡単なものが増加。二次燃焼もひとつのキーワードです」
▼最新焚き火台のキーワード“二次燃焼”とは?
通常、薪を燃やすとタールなど微粒子を含む未燃焼ガス(煙)が発生する。壁が二重構造の焚き火台は、火床で薪が燃えると壁の中の空気があたためられ上昇気流が発生、壁上部の穴から熱風が吹き出して未燃焼ガスを燃やし尽くす。通常より高温で煙のないクリーンな炎を楽しめる。
1. 蛇腹式の火床がポイント
ウルフアンドグリズリー
「ファイヤーセーフ」(1万780円)
折りたたみ式のフレーム、蛇腹式の火床でコンパクト収納を実現。火床は蛇腹式なので残った炭を片付けやすいという利点があります(牛田さん)
パッと広げれば準備OKと手間いらず。火床は28.6×27.8cmと少々物足りなく思うかもしれないが、約40cmの薪を対角にセットできるので不便はない。ステンレス製で重量910g。別売のグリルを用意すれば、BBQや料理も可能だ。
2. 名作焚き火台がちっちゃくなった!
ユニフレーム
「ファイヤーグリル solo」(4900円)
もはや説明の必要もない定番焚き火台のミニサイズ版。耐久性は折り紙付きだし、ソロなら必要十分なサイズに仕上げてあります(牛田さん)
超ロングセラーの焚き火台がW29.5×H17×D29.5cm、900gにサイズダウン。同社のヒット商品「ユニ鉄」がフィットする大きさに仕上げられていて、焚き火料理好きソロキャンパー向き。フラットに置ける薪の長さは約30cm。
3. タフで長い薪に対応なのに超軽量!
ベルモント
「Tabi」(1万1000円)
今季一番気になる焚き火台です。本体重量298gなのに耐荷重15kgで40cmの薪もバンバン燃やせる。料理やBBQもできる万能さもあります(牛田さん)
0.3mm厚のチタン製で、たたむと厚さ15mmという超薄型収納を実現。本体は3本の脚に2枚のプレートを差し込むだけと簡単に組み立てられるのに安定感は◎。側板2枚と焼き網付きで多様な使い方ができる。W36×H17×D23.7cm
4. 三角メッシュの壁で炎を四方から確認
ホールアース
「クイックアップ焚き火台EX」(1万7600円)
なんだかんだ言ってこの形、このデザインが焚き火台らしさですね。オプションがいろいろあり、拡張性があるのが楽しい1台です(牛田さん)
ステンレス耐熱メッシュを組み込んだ4枚のステンレス板で囲んだ、空気をほどよく取り込む構造。本体はW41×H32×D41cm、重量約7kg。別売のロストルやロストルハンガーを使えば焚き火料理がはかどる。
5. 10年保証付きのタフ設計!
スポルテスアウトドアツールズ
「ファイヤーウォール プラスウインドブレードセット」(3万800円)
スタイリッシュな焚き火台。ボーボーと炎を大きくしがちな焚き火ですが、この焚き火台ならチロチロとゆっくり焚き火を楽しめます(牛田さん)
薪を積み重ねるスタンド型。並列に組むため調理向きの炎になる。本体はゆがみにくい2.4mm厚ステンレス板を採用。W33×H33.5×D19cmと小型だが、両端が空いているので長めの薪にも対応する。グリルプレート、風防付き。
6. ついに登場、ポータブル囲炉裏!
テンマクデザイン
「いろり炉 Bon火」(3万2780円)
「持ち運べる囲炉裏」といえる焚き火台です。上昇気流で空気を送り込むギミックに感服。妄想するだけで楽しくなる道具になっています(牛田さん)
地面に座った時に心地良い高さを徹底追求したデザインで、本体サイズはW58×H21×D58cm。平たく見えるが、中央に吸気ガイドをセットすることで上昇気流が発生。思いのほか薪がよく燃える。重量13.7kg
7. 二次燃焼タイプなのに薄く収納可
モンベル
「フォールディングファイヤーピット」(1万8590円)
二重構造の壁を2面作ることで、二次燃焼による高い燃焼効率を実現しつつも薄く折りたためる大型焚き火台に仕上がっている。薪の燃え残りはごくわずか。深型なのでガッチリ太い薪だってしっかり受け止める。
本記事の内容はGoodsPress3月号50-51ページに掲載されています
(取材・文/大森弘恵)
- Original:https://www.goodspress.jp/features/280428/
- Source:&GP
- Author:&GP