<不自由を自由にする野営スタイル>
「不自由は自由だ!」をモットーに、不便がいっぱいな自然の中でいかに快適に過ごせるかを考え、キャンプをしているRYUです。
突然ですが、ロープワークって、何を覚えていいかわからなかったり、少し練習しても忘れてしまったりしませんか? もしくは以前、勉強したことがあるけど使わなかったかし、今は便利な道具があるからもう一度覚える必要はないかな、と思っている人も少なくないと思います。
それはそれでいいと思いますが、手際良くロープワークができた時の事を想像してください。はい! アウトドアの男って感じで単純にかっこいいですよね。笑
もちろん印象だけでなく、たとえタープの自在金具がなくても、付属していたロープが切れても、キャンプギアをしっかりと固定したい時も、ロープワークを覚えていれば必ず役にたちます! キャンプの際だけでなく、災害時や緊急時など、いざという時に重宝するので覚えておいて損はありません。
ちなみに、色々な本やサイトで「初心者でも簡単」なんて言葉が書かれてます。決して嘘ではなく、簡単は簡単なのですが、一番大切なのは反復練習です。頭で考えなくても、手が動くまで単純作業を繰り返せば絶対にできるようになりますが、やらなければ、絶対に習得できません。
練習しなければ覚えられないけれど、覚えたらキャンプに絶対に役立つワープワークを、アウトドアのベストシーズンである5月まで1ヶ月に1回連載。前回の「もやい結び」は皆さん練習しましたか? 毎月1つ覚えてみてください。
「春までに覚えよう!キャンプで本当に役立つロープワーク5選」のうち、今回は「トラッカーズ・ヒッチ」をご紹介します。
紹介するロープワークは以下の5つになります。
1.もやい結び
2.トラッカーズ・ヒッチ
3.巻結び
4.プルージック・ノット
5.棒結び
■トラッカーズ・ヒッチの結び方
「トラッカーズ・ヒッチ」は主にテントやタープに結ぶロープワークですが、今回は「もやい結び」で結んだロープをペグや木に通常の数倍の力でテンションをかけられ、自由に長さを調節できる結びをやってみましょう!
ちなみにこのロープワークは、個人的にキャンプで最も多く使う結びです。テントやタープを設営する際には、必ず使いますし、その強度がなんといっても魅力です!そしてもう1つ! ほどくのが簡単なので、撤収時も楽なんです!!
それでは結び方を解説していきましょう。
1.テンションをかけながら、支点となる輪っかを作る
片側が固定されたロープの固定されてない方を、ペグや木など、固定したい方向へ引っ張ります。
写真では右手側のロープはすでに固定してあり、引っ張りたい方向は左手側になります。
左方向に引っ張りながら、上方向に輪を作ります。この時、左手側には1mほどロープを残しておいた方が、あとあと調整しやすいです。
上方向に作った輪を、右手側に持って行き、右から来ているロープの奥側へ持って行きます。この時、左方向にロープを引っ張りながらテンションをかけたまま行ってください。
先ほど奥側に持って行ったロープを手前に持って来て、作った輪っかの中に通します。
通した輪っかを上方向に引くと、結ばれた輪ができます。
2.できた輪を支点にし、テンションを強くかける
先ほど作った輪っかの先端を左方向へ引きながら、その先に伸びるロープの先端を、木やペグに引っ掛けます。
輪っかの先端を引っ張っている限りはほどけませんが、ロープの先端を引きすぎると輪が小さくなり、ほどけてしまいますので注意しましょう。
木に通したロープの先端を先ほど作った輪に通します。
輪に通したら、再び左方向に引き、テンションをかけます。
この輪の支点部分が滑車の役目をして、長さを調節したり、通常の力の約3倍の力で引くことが可能になったりします。
左方向に引けば引くほど、強いテンションをかけられます。
3.ほどけないように仕上げ(留め)
上記、2までできれば、ほとんど完成なのですが、最後の仕上げの留めです。
右手で先ほどの滑車の役割をしている部分を摘まむと、一旦テンションをかけた状態でロープのテンションがかかった状態をキープできます。
左手でロープ(左方向へ引いている部分)を摘まみ、再度輪っかを作ります。
左手で作った輪を奥へ回し、上の写真の右手を左手の中間にできた輪に通します。
その通した輪を右方向に引くと、留めの完成です。
留めを行ったあとにできた輪は、ロープの先端を引っ張るとほどけます。
要するに、引き解け結びの状態になっているわけなので、その輪っか部分に木の枝などを引っかけておくと、先端を引っ張ってもほどけない状態になりつつ、撤収の時は枝を外して、ロープの先端を引けば簡単にほどけるわけです。
4.余ったロープの先端の始末をする
3の状態でもほどけてしまうような致命的な問題はありませんが、このままですと、ロープの先端が垂れて人が移動したりする時に、引っかかったりしますので、最後の処理をします。
写真のように、親指と小指に引っ掛けて、八の字に巻いていきます。くるくる巻いていき、大体40~50㎝位、巻かれていないロープを残しておきます。そのくらい手に巻いたら、左手からロープを外します。
先ほど左手から外したロープを束ねるように、余った40~50㎝位のロープを巻いていきます。
上の写真のようになったら完成です。
トラッカーズ・ヒッチは、木と木を結ぶロープで、強いテンションを張りたい時や、テントやタープをペグに固定する際に強いテンションを張りたい時などに非常に役に立ちます。
よく自在結びでテンションをかけたり、長さ調節をしたりしますが、トラッカーズ・ヒッチは前述したように、通常の引っ張る力の3倍程度のテンションをかけられます。
私は、自在結びはあまり使わず、トラッカーズ・ヒッチを使うことが多いのですが、その理由はやはり強度です。山では天候がすぐに変わるケースが多く、必ずしも過ごしやすい条件でキャンプできるわけではありません。
例えば、強風時にキャンプをしなければならない時、テントやタープを地面や木に強く固定する必要があります。私はトラッカーズ・ヒッチで張ったテントが風速15m以上の悪条件の中でも、朝までちゃんとテントが立っていた経験を何度かしております。それもひとえに、この、トラッカーズ・ヒッチのおかげだと思います。
>> 連載
(文・写真/RYU)
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/280251/
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