カナダのウォータールー大学の研究チームによると、感情を刺激するような強い物語性を持つストーリーは、ヴァーチャルリアリティ空間でのVR酔いを軽減する可能性があることが明らかになった。
・ストーリーが臨場感を増す
今回の研究では、物語性の強いストーリーラインが、ユーザーのVR体験への臨場感を促すこと、また、ユーザーのゲーム体験に応じて、VR使用時に起こる「吐き気」「見当識障害(時間や場所が分からなくなる障害」「眼精疲労」を軽減できる可能性があることが発見された。
156人を対象に実施された調査によると、シミュレーションVRを体験する前に、感情に訴えかけるような物語性の強いストーリーを聞いた参加者は、VR体験中の臨場感(実在感)が増大したことを報告したという。
・VR酔いはゲームプレイの経験度も関連?
さらに、ビデオゲームを頻繁にプレイしているゲーマー以外の参加者だけが、VR酔いを軽減できたという結果も得ている。ゲーマー以外の参加者のみVR酔いを軽減できた点に関しては、一般的にビデオゲーマーはすでに持つゲーム経験によって、VR酔いを感じにくい傾向にあるからだと研究チームは説明している。
この結果から、VRシミュレーションのストーリーラインのデザインによっては、一部の人々がVRを使用した際に経験するネガティブな影響を軽減できる可能性があるといえるという。
研究チームは、ゲームデザインを通じてバーチャルリアリティの経験をザインできる可能性も指摘しており、今後、物語性やゲームデザインの観点からもバーチャルリアリティの研究が進められていくであろうことも示唆されている。
- Original:https://techable.jp/archives/117947
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:kawaguchiasuka