NASAが気候データ収集を目的として、ニュージーランド航空の飛行機に全地球測位システム(GNSS)リフレクトメトリ受信機を設置することを発表した。ニュージーランド航空は、NASAと提携して科学ミッションデータを収集する初の旅客航空会社となる。
・GNSSリフレクトメトリ受信機を飛行機に設置
CYGNSS衛星の主な使命は、GPS信号を使用して海上の風速を測定し、ハリケーンや熱帯低気圧についての理解を深めること。CYGNSSは土壌水分や洪水、湿地および沿岸環境などの土地に関する貴重な測定値も収集できる。
そして今回CYGNSSチームは、次世代GNSSリフレクトメトリを開発。2020年後半にニュージーランド航空のQ300国内線航空機1機に設置し、ニュージーランド上空で環境科学データを収集することを発表した。NASAは当プログラムを、ニュージーランドのビジネス・イノベーション・雇用省、ニュージーランド宇宙局、ニュージーランド航空、オークランド大学と共同で行っている。
・CYNGSS衛星の観測検証と改善を促す
航空機がニュージーランドを通過するルートの一部は、CYGNSS衛星の飛行経路と重複しているが、これは、定期的な商用便での頻繁なデータ観測で、CYNGSS衛星の観測検証と改善を促したいという研究チームの意向を反映させた。さらに、変化に富むニュージーランドの地形は、世界の他地域の同様の地形で収集されたデータ検証に役立つ。
受信機が収集するデータは、ニュージーランド最大の長期的な環境データになる可能性があり、幅広い研究機会がもたらされることが期待される。ニュージーランド航空はQ300型機を23機保有しており、当実験が成功した場合、このテクノロジーの導入拡大を検討するという。
- Original:https://techable.jp/archives/118134
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:クリューガー量子