ソーシャルレンディング大手Lending Clubが、ネット銀行Radius Bankの買収手続きに入った。P2P(個人間)ローンに加え、ユーザーに銀行口座やクレジットカードを発行し、これまでよりもサービスを拡充する見込みだ。さらに、BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)への進出も期待される。
新興フィンテック企業がオンライン銀行を買収する画期的な出来事
Lending Clubは融資仲介プラットフォームとして、フィンテック企業の中でもリーダー的な地位を築いてきた。ユーザーは、他のユーザーや金融機関から低い手数料で融資が受けられるのが利点で、2020年の売り上げは7億9000万ドルを超えると予測されている。
2020年2月には、Lending Clubが米国のオンライン銀行Radius Bankを1億8500万ドルで買収する計画が報じられた。規制当局からの承認などが必要になるため、12~15か月の手続きを経て、買収が完了する見込みとなっている。2007年に創業された新興フィンテック企業が、銀行業を取り込む初めてのケースとして注目を浴びた。
ローンの原資を確保した上で、長期的にはBaaS企業への進出を目指す
ユーザーに対しては、これまでの個人間ローンに加え、銀行口座やクレジットカードを発行し、これまでより広範なサービスを提供できるようになるだろう。豊富なデータを基に、高度な信用リスク審査が可能になると共に、融資の原資が容易に調達できるのが銀行買収の狙いと考えられる。
長期的には、BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)への進出が見込まれている。Lending Clubのプラットフォームが持つ銀行機能が、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通して、他のフィンテック企業やSaaS企業と連携されるようになるかもしれない。
- Original:https://techable.jp/archives/118162
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:佐藤隆之