atama plusは2月28日、東京・神奈川を中心に展開する城南予備校の全校舎に同社のAI教材「atama+」を全面導入することを発表した。
atama+は、iPadなどのタブレット端末を使ってAIによる生徒の個別指導を可能にする学習環境。城南予備校は、1961年設立の城南進学研究社が運営する集団授業型の大学予備校だが、長年培ってきた学習カリキュラムをすべて廃止し、3月末から全校舎でatama+による個別授業を導入する。
城南進学研究社は、プロ講師による個別指導とA教材を用いた個別学習を提供する「城南予備校DUO」を2018年12月より開校してatama +の効果を検証してきた。その結果、中学生、高校生の成績向上や生徒・保護者の満足度が高かったことから、全面移行することに決めたという。
さらに城南進学研究社では、個別指導塾「城南コベッツ」にもatama+を導入し、全国150教室の一部の講座に取り入れる。こちらも2019年6月にatama+を試験導入した結果、生徒の成績向上が確認できたことから本格導入に至ったという。
具体的な事例としては、高1の学年末テストと高2の1学期中間テストでatama+導入の効果を確かめたところ、高1の学年末テストで、数I・IIが43点、数A・Bが51点だった生徒が、高2の5~6月の2カ月間でatama+で27時間学習したところ、高2の1学期中間テストで数I・IIが74点と31点アップ、数A・Bと82点と31点アップしたという。別の生徒では、中 3の学年末テストと高1の1学期中間テストでの点数比較で、数学が33点から68点と35点アップしたそうだ。こちらの生徒は、atama+での学習時間は高1の5~6月の2カ月間で29時間。
数学はさまざまな数式を理解して知識を積み重ねることで成績が伸びる教科だ。atama+では、iPad上で生徒が問題を解く時間など記録し、生徒それぞれが「どの問題の何を理解できていないかを」をAIが分析。その分析結果を基に、弱点を克服するための練習問題を生徒ごとに生成するという特徴を持つ。
atama+は2月13日に、兵庫県を拠点とするティエラコムが運営する学習塾の能力開発センターへの導入が決まったほか、Z会グループの栄光の個別ビザビ、駿台予備校などにも導入されている。
関連記事
・AI学習環境「atama+」を学習塾「能力開発センター」の兵庫や北陸など全77教室が導入、空いた時間でコミュ力強化
・atama plusがZ会と業務提携、タブレット型AI教材の学習塾への導入進む
・atama plusが駿河台学園と業務提携、タブレット型AI教材を全国展開
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/02/28/atama-plus-johnan/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Hiro Yoshida