1年前、Lyft(リフト)は米国カリフォルニア州の車両管理局(DMV)に、2018年の自律走行車両テスト活動について1つの短い段落にまとめたレポートを提出した。
「Lyftはレポート対象期間中、カリフォルニアの公道で自律走行モードで車両を走らせていない」と書かれている。「よって、報告すべき自律走行モードオフ事案もない」とした。
しかし2019年のデータでは状況は異なる。今週初めにカリフォルニア州DMVが明らかにしたデータによると、Lyftは2019年にカリフォルニアの公道で自律走行車両19台を使ってテストを行った。レポート対象期間の2018年12月から2019年11月にかけて、19台は自律走行モードで4万3000マイル(約6万9200km)を走行した。
レポートは、Lyftがレベル5として知られる自動運転車両プログラムを加速させようとしていることを示す最新のサインだ。
州内の公道での自律走行車両テストを管轄するカリフォルニア州DMVは、自律走行車両の台数や総走行距離などのデータを含む年次レポートの提出を企業に求めている。そして「自律走行オフ」の報告も求めている。自律走行オフは自動運転車両が技術の不具合により、もしくはセーフティー・ドライバーが安全上の理由からマニュアル操作を行った時に自律走行モードをやめることを指す。
Lyftの自律走行距離は、83万1000マイル(約134万キロ)走ったCruise、145万マイル(約233万km)走ったWaymoのようなすでに確立した存在のAVデベロッパーには遠くおよばない。また、2019年に公道で自律走行テストを行った36社の総距離において微々たるものだ。
自律走行車両が走行した総距離は2019年に前年比40%増の287万マイル(約460万km)となった。BaiduやCruise、Pony.ai、Waymo、Zooxが大幅に距離を伸ばしたことによるところが大きい。テストの許可を取得した企業の数は2019年に60社に増え、うち58%の企業が実際に公道でテストを実施した。2918年にテスト許可を持っていた企業は48社で、テストを実施したのは62%だった。
LyftはAptivのような自動運転車両の開発会社と提携する以上の取り組みを行っていることをレポートは示している。LyftとAptivは2018年1月にラスベガスでロボタクシーパイロット事業を立ち上げた。LyftのライドシェアネットワークにAptivの車両が組み込まれているこのプログラムでは今月10万回超の乗車があった。常にセーフティドライバーが運転席に乗り込んでいて、駐車場やホテルのロビーエリアでは自動運転は行わない。
Lyftのレベル5プログラムは2017年7月に立ち上げられた。レベル5というのはSAE(米自動車技術協会)が定めている基準で、あらゆる状況で自動走行が可能であることを指す。現在Lyftは、レベル5プログラムで従業員400人を米国、ミュンヘン、ロンドンに配置している。
カリフォルニアの公道でのテストは、パロアルト在住のLyft従業員向けのパイロットとして2018年11月に始まった。Lyftのオフィスと通勤列車Caltrainの間といった決められたルートでオンデマンド乗車を提供した。
以来、同社はパイロット事業の対象やエリアを拡大してきた。2019年後半までに、四半期あたりの自動走行距離はそれまでの6カ月間に行ったものの4倍超となった。
Lyftはまた東パロアルトに2019年11月に開設した専用コースでもテストを行っている。「公道を走らせる前にソフトウェアをテストすることを目的に、この施設に交差点や信号、合流ポイントなどを設けることができる」とLyftはTechCrunchに話した。
画像クレジット:Lyft
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(翻訳:Mizoguchi)