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約2700万人分のユーザーデータが米国の安全保障上の懸念だった出会い系アプリGrindrを中国企業が売却

中国のゲーム大手Beijing Kunlun Techは、人気の同性愛者向け出会い系アプリのGrindrを約6億800万ドル(約640億円)で売却することに合意し、中国企業所有の下での4年間におよぶ騒動に終止符を打った。

ロイターの報道によると、Beijing Kunlun TechはGrindrの株式の98%を、米国企業のSan Vicente Acquisition Partnersに売却したという。

もともとロサンゼルスで開発されたこのアプリは、2016年にBeijing Kunlun Techに9300万ドル(約98億円)で買収された後、安全保障上の懸念を引き起こした。その後、米国政府の国家安全保障委員会に相当する対米外国投資委員会(CFIUS)がこの買収を精査した結果、Grindrによるオーナーシップが安全保障上の脅威になっていると、親会社に伝えたという

CFIUSは、アプリ内の約2700万人ものユーザーデータが中国政府によって使用される可能性があるとの懸念を表明していた。2019年の報道によると、中国企業がGrindrを所有している期間中に、北京のエンジニアが数百万人におよぶ米国ユーザーの個人情報にアクセスすることを許可し、そのなかにはプライベートなメッセージやHIVに関する情報も含まれていたという。

Beijing Kunlun Techは、6月までにアプリを売却することで合意していた。

買収しおたSan Vicente Acquisitionについてはほとんど知られていないが、この取引に詳しい人物によると、同社は米国人によって完全に所有され管理されている投資家グループで構成されているという。ロイターによると、投資家の1人は中国の検索大手Baiduの元幹部であるJames Lu(ジェームス・リー)氏だとのことだ。

なお、買収には株主の承認とCFIUSによる審査が条件となっている。

Grindrの広報担当者は、この件に関するコメントを避けている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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