予期せぬシャットダウンを防ぐため、経年劣化したバッテリーを搭載したiPhoneのパフォーマンスが故意に抑制されていた問題で、Appleはブラジルで損害賠償請求を受けていましたが、ブラジルの裁判所は「Appleの行動に問題はなかった」と判断し、訴えを退けたと伝えられています。
ブラジル政府がAppleの立場を支持
バッテリーが古くなったiPhoneの動作速度の抑制は、ユーザーに精神的損害を与えたとして、ブラジル情報技術法政策院(IBDI)は、Appleに9億8,600万ブラジルレアル(約224億4,000万円)を支払うよう求めていましたが、訴えは認められなかったことが明らかになりました。
ブラジルの裁判官のジョアン・エグモン氏は、Appleの行為は「(iPhoneの買い替えを促すのが狙いの)計画的陳腐化ではない」と述べており、もしパフォーマンスの制御が行われなかった場合、突然のシャットダウンやバッテリーの誤作動などの問題が生じただろう、と結論づけています。
政府がApple側に立つのは異例と思われるかもしれませんが、ブラジルにはFoxconnの生産施設があり、いくつかのiPhoneモデルが生産されているため、雇用機会を守るための可能性もある、と米メディア9to5Macはコメントしています。
仏政府はAppleに30億円の罰金
Appleは、古いバッテリーのiPhoneのパフォーマンス制御は製品の買い替え促進が目的ではないと説明し、ユーザーに誤解を与えたことを謝罪するとともに、バッテリー交換料金を2018年12月末まで減額しました。加えて、iOS11.3ではバッテリーの劣化状態を確認できる設定項目を追加しました。
しかしながら、フランスの競争・消費・不正行為防止総局(DGCCRF)は、Appleの対応を不十分と判断し、約30億円の罰金の支払いを命じました。Appleは支払いに応じる構えを見せたと伝えられています。
Source:Tilt via tecnoblog, 9to5Mac
Photo:iFixit
(lexi)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-277289/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania