“ゲーミング”という言葉に惑わされてはいけない。コンマ何秒でも速く反応し、ドン勝を目指すために開発されたゲーミングマウスは、複雑な操作であっても的確におこなうためのユーザーインターフェースだからだ。求める機能をボタン1発で呼び出せるその作りは、ゲームのみならずビジネスワークやネットウォッチのシチュエーションにおいても、効く!
盛り上がりを見せているゲーミンググッズ市場
ゲーム市場、急成長しています。スマホのソーシャルゲームなどモバイルゲーム市場は7.2兆円に達し、1タイトルで数百億円/1年の売り上げを記録するタイトルも続々と登場。月額課金でさまざまなゲームが遊び放題のサブスクリプションサービスや、遊ぶためのマシンを選ばないストリーミングサービスも次々と増えていく様子です。
その急成長を見せるカテゴリのなかには、ゲーミンググッズも含まれます。ゲーミングチェアとかね! そうそうレーシングカーのようなバケットシートの椅子ですよ。今後4年間で76億円産業になると予測しているアナリストもいて、いったいどれだけの熱き魂を宿したLEDで光る椅子がご家庭に普及していくというのでしょうか。
いやいやいや、このままだとゲーミングチェアの話になっちゃう。アイツ、仕事用の椅子としても優れているんだけど、その話はまた今度。今日お伝えしたいのはゲーミングマウスなんです。コイツ、ゲームだけじゃなくて、仕事用マウスだったりブラウザを自由気ままにコントロールするための入力装置として使うといろいろ捗るよ!ということをお伝えしたく。普通のマウスと何が違うって? コイツも大概光るんだけど、ポイントはボタンの数。モデルにもよるけど、10を超えるボタンを持つヤツもいるんですよ。
ゲーミングマウス、仕事、使う。作業、早い、幸せ。
さてこのボタン。ゲーム用に使うのであれば、各ボタンに武器の持ち替えキーやら、ショートカットキーやら、マクロを登録するのが一般的です。そうすることで、マウスを持つ右手だけできめ細やかな操作を1ボタンでできる→ライバルに秀でられる→Win!と目指せるというわけ。
ならば、ゲーム以外のソフトのショートカットキーを登録したら?
これがいい。めっちゃくちゃいい。
ブラウザの場合、ページの送り(進む/戻る)、上下スクロールは普通のマウスでもコントロールできますが、新しいタブを開く・ウィンドウを開く・ブックマークに追加するなどなどの機能は、マウスポインタでメニューを開いていって指定するか、キーボードショートカットを登録するしかありません。
しかしゲーミングマウスの余っているボタンに、各機能のショートカットキーを登録しておけばボタン一発で機能を呼び出せちゃう。ブックマークしてからの以前のブックマークを呼び出しとか指先一つでダウンですよ。アドオンと組み合わせたら多重クリップボード保存とか、サイト全体をキャプチャからのPDF出力とかもオッケ。
PhotoshopやLightroomやPremiere Proといった、ビジュアルを作るためのツールの入力機器としても最高なんです。文字を選んでからのフォントサイズ変更、字間の調節、レイヤーの移動に色の調整などもすっごくお手軽になる。マウスからキーボードに手を戻すことが少なくなり、同じ作業をしていても疲れにくくなるメリットがあるのですよ。
モデルによってはマウスのサイズ、ボタンの角度、パームレストの位置、重さの調節ができるゲーミングマウスもあります。いずれも的確な操作を追求したからこそのギミックですが、マウスを操作し続ける仕事に就いている方はこういったゲーミングマウスのポテンシャルの高さに興味を感じてきませんか?
なおスライダーによる調整項目が多い編集時に、ツマミがいっぱい載ったMIDIコントローラを使うデザイナーさんもいます。ご参考までに。
2000円前後とハイコスパなのに作りがいい
さて、今回僕が導入したのはエレコムのM-DUX50BKは、2016年にリリースされた有線タイプのゲーミングマウス。当時の実勢価格は5000円くらいでしたが、現在は2000円前後で入手できるハイコスパなモデルなんです。
安いマウスは低コストで作られており、ボタンのパーツが低品質で押しにくいしヘタりやすいとか(押したときの力が逃げて、他のボタンを一緒に押してしまうことがある)、底面部の滑り&グリップのバランスが悪いとか(狙った位置で止まるグリップ性能も重要)、ちょっと光沢のある机だとカーソルの動きがおかしい(レーザーの光が反射してドリフトしてしまう)などなど、いろんな問題点があります。しかしM-DUX50BKはもともと5000円というミドルレンジの価格帯で売られることを念頭において作られたモデルゆえか、ほとんど問題を感じません。その上、14ボタンと多くのコントローラを備えているのがよし。
ショートカットキーやマクロの登録も簡単。設定用ソフトが視覚的にわかりやすいUIとなっているのがグー。5つの設定を切り替えて使えるので複数のソフト・環境に合わせたセッティングが可能ですし、応答速度やDPI、マウスを持ち上げたときにテーブルやマウスパッドまでどこまでの距離まで反応するかというリフトオフディスタンスもチューニングできます。
マイクロスイッチの耐久性だけは使い続けてみないとわからないのですが、各ボタンを押した印象ではまず問題がなさそう。
そしてマクロエディタの存在も推しのポイントになります。いちコマンドずつ設定してもいいし、実際の操作を記録させるレコーディング機能も備わっているから、複雑な操作もいちボタンで実行できるように設定できますよ。
エレコム
M-DUX50BK
実勢価格:2000円
- Original:https://www.digimonostation.jp/0000122407/
- Source:デジモノステーション
- Author:武者 良太