こうしたなか科学者らが、5大陸で採取された新型コロナウイルスの遺伝子配列から感染経路を追跡。遺伝子情報の解析と視覚化ができるオープンソースツール「Nextstrain」を利用してレポートを公開している。
新型コロナウイルスのルーツおよびどのように広がったかを知ることは、次なる手を打つうえでも重要だろう。
・169もの遺伝子情報を解析
研究者らは169もの遺伝子情報の解析から、現在の新型コロナウイルスの系統をマッピング。感染源や感染の時期などをビジュアライズした。
レポートでは、動物からヒトへの感染が中国武漢での一度だけであり、あとはヒトからヒトに感染が広がったことが示されている。
そして、現在のような広がりを見せているのは、必ずしも中国渡航者からの直接的な持ち込みとは限らないという。
・単一の感染源がクラスタを形成しエリアでの感染拡大に
例えばイタリアでの感染拡大は、ローマからのものと、北イタリアのロンバルディアからのものと2系統あるようだ。そしてイタリアでの感染が元となって、メキシコ、ドイツ、ブラジル、フィンランドなどでクラスタを形成。一方、ドイツでのクラスタは中国由来の可能性が高いという。
また、急増するアメリカの感染者についてもルーツを説明してくれている。まずシアトルエリアの感染源については、中国由来の感染源が少なくとも2度持ち込んだか、一定期間未検出の状態で感染拡大したか……との2つの可能性が示されている。
一方ワシントンエリアのものは、シアトルエリアから持ち込まれてクラスタを形成。コミュニティ内で広がったようだ。
同レポートは英語だけでなく日本語でも読めるようになっているので、ぜひ参照いただきたい。
参照元:状況報告 2020-03-05/ Nextstrain
- Original:https://techable.jp/archives/119021
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji