ノーコードツールがこのところ好調で、Y Combinator出身のSnapboardもその波に乗ろうとしている。SnapboardはCalum Moore(カルム・ムーア)氏が単独の創業者として作ったプロダクトで、同氏の1年間毎週1つのプロダクトを作るという個人的チャレンジの産物だ。2週目に同氏は、作らなければならないアプリやサービスの数だけでなく、ソーシャルメディアにポストすべきプロダクトに関する記事の本数も大変であることを悟った。
そこでムーア氏は「それらすべてのアプリとツールの開発を1つのダッシュボードから管理したい」と考え、Snapboardを作った。
Snapboardを使えば、ユーザーはさまざまなアプリとプラットホームを1つのカスタマイズ可能なダッシュボードでリンクし管理できる。Snapboardの名のとおりユーザーは社内的に使うツールになるボードを手早く作るが、そのときプロダクトやエンジニアリングのチームが社内プロジェクトとして関わってこない。ムーア氏はそれを「すべてのデータがすでにそこにあるAirtableだ」と説明する。
Snapboardのプラットホーム上では、ShopifyやDropbox、Google Analytics、MailChimp、MongoDB、MySQL、Trello、Zendeskなど、50以上のアプリを利用できる。ムーア氏は、アプリを新たに統合してSnapboardに載せることをいちいち気にしないし心配もしない。スタートアップやテクノロジー企業が使う人気ツールには、ほとんどどれにもAPIがあるからだ。
このプラットホームのユースケースは数え切れないほどあり、便利であるだけでなくそれらを実装するのも大変だ。ムーア氏が挙げた例の中には、個々の顧客1人ひとりのボードを作る、MailChimpが送ってきたメールにStripeのデータを結びつけて動作をターゲットしてみる、といったものがある。
そして、このプラットホームの柔軟性はほとんど何でもできるところにある。ただし、何をどうしたいのか事前によく理解する必要がある。曖昧なものや、あまりにも多くの使い方があるものは、難しいだろう。同氏によると、重要なのはSnapboard用のテンプレートライブラリを素早く作ること。それによって新しいユーザーにいろんなインスピレーションのネタを与えることだ。
Snapboardは無料でも使えるが、1人あたり月額10ドルで高度な機能もある。今、登録ユーザー数は3000で、WAU(週のアクティブユーザー)は230人程度だ。「ターゲットはもっぱらテクノロジー企業だが、Snapboardの社内ツール作成プラットホームは他の業界にも用途はある」と彼は見ている。
数え切れないほど多くの使い方のあるプラットホームに、目的に応じた正しいメッセージを送るのは、決して容易ではない。それだけでなくムーア氏が気づいているのは、現状のUXがあまりよくないことだ。
同氏は「デベロッパーにしかできないことを素材にして、万人向けのツールを作ろうとしてきた。デベロッパーにプラットホームを与えれば、黙っていてもそれを使いこなせる。自分なりに、それを使えるようになる。しかしテクノロジーに疎い人びとは、もっとわかりやすくて使いやすいものを求める。でも、今やろうとしているのは、技術的な体験を技術系でない人びとに届けることだ」と語る。
SnapboardはY Combinatorから15万ドル(約1566万円)を調達しており、3月16日から始まるデモデーに登場する。
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)