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新型iPad ProはLiDARスキャナ搭載で大きく飛躍〜最初の特許は2011年に申請

Apple iPad Pro
 
3月18日に発表された新型iPad Proは、背面にLiDARスキャナを搭載している点で前モデルと一線を画していると言えます。拡張現実(AR)体験を大きく変えると期待されているLiDARスキャナは、Appleが2011年に特許を申請してから約9年の月日を経てAppleデバイスへの搭載が実現しました。

LiDARスキャナは屋内でも屋外でも使用可能

Appleは3日18日に発表した新型iPad Proのプレスリリースで、LiDARスキャナについて次のように述べています。
 

画期的なLiDARスキャナ
 
画期的なLiDARスキャナが、これまでどのモバイルデバイスでも不可能だった機能を可能にします。LiDARスキャナは、最大5メートル先の周辺の対象物までの距離を計測し、屋内でも屋外でも使うことができ、ナノ秒のスピードで光子レベルで動作します。iPadOSの新しい深度フレームワークは、LiDARスキャナが計測した深度ポイント、両方のカメラとモーションセンサーからのデータを組み合わせ、さらにA12Z Bionicのコンピュータビジョンのアルゴリズムで強化されて、シーンをより詳細に理解します。これらの要素が密接に統合されて、iPad Pro上で全く新しいレベルのAR体験が可能になるのです。
 
既存のすべてのARKitアプリケーションは自動的に、インスタントARでの配置、そして強化されたモーションキャプチャとピープルオクルージョンが使えるようになります。新しいシーンジオメトリーAPIを含むARKitの最新のアップデートを使うことにより、デベロッパは新しいLiDARスキャナのパワーを引き出し、これまで不可能だった新しいシナリオを解き放つことができるようになります。
 
LiDARスキャナは計測アプリケーションを改良し、人の身長測定を速く簡単にできるようになったほか、便利な縦と端のガイドが自動的に表示されるため、より素早く、正確に対象物を測定できるようになりました。計測アプリケーションには新たにルーラービューが加わり、より細かい測定値が見れるようになったほか、これまでに測定した対象物のリストをスクリーンショットと一緒に保存してあとで必要になった時に備えることもできるようになりました。

 
新型iPad Proの背面カメラは、見かけはiPhone11にそっくりですが、デュアルカメラの右側にLiDARスキャナが追加されています。
 
実機で実験を行ったWiredによれば、これまでiPadでARを利用する際、室内スキャンに約1分かかっていたところ、LiDARスキャナで瞬時に行えるようになったとのことです。
 

 

最初の特許は2011年に申請

Appleの特許に詳しいPatently Appleは、AppleがLiDAR関連の特許を最初に申請したのは2011年であると述べており、新技術の開発に着手してから実際に製品化に至るまでは多くの歳月を要することが伺えます。
 
2017年のiPhone Xの発表当初、3Dカメラ(TrueDepthカメラ)がデバイスの背面ではなく画面側に向けられていたことで、専門家からは落胆の声が聞かれました。
 
過去には3Dカメラのデバイス背面への搭載は2019年のiPhoneで実現するとの観測もありましたが、新型iPad Proでついに現実のものとなったわけです。
 
Appleは、新型iPad Proを紹介するCM2本を同時に公開しています。また、iPad Pro(2020)とMacBook Air(2020) のスペックを徹底比較も公開済みです。
 
 
Source:Apple via Patently Apple, Wired
(lexi)

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