中国の医療機関が武漢と深圳の患者に対して行った治験によると、日本製のインフルエンザ薬であるファビピラビルィ(販売名:アビガン)が、この薬で治療を受けた患者の体内新型コロナウイルス(COVID-19ウイルス)の存続期間を減らし、肺の症状を改善する効果を示した。
治験を受けた患者は計340名で、薬はすでに開発されインフルエンザの治療に承認されているので、The Guardianの報道では、米国時間3月18日に中国科学技術省のスポークスパーソンとして記者に語ったZhang Xinmin()氏によると「安全性が高い」。その試験は、患者が新型コロナウイルスの検査で陽性である期間を11日からわずか4日に短縮し、ファビピラビルで治療した患者の約91%で肺の症状が改善した。治験を受けなかった患者の改善率は62%だった。
新型コロナウイルスの治療におけるこの薬の効力を試験しているのは中国だけではない。日本の医師たちも独自の研究を積み上げている。日本の厚生労働省筋が毎日新聞に語っているところによると、この薬は現在、約70名から80名に投与されているが、初期の結果では、ウイルスが大きく増殖している重症患者の治療には効果がないことが示されている。
それでも軽症の患者ではウイルスの存続期間を減らし、中程度の症状の患者にも効力があったことは、現在進行中の新型コロナウイルスとの戦いにとって大きな成果だ。ファビピラビルが承認されるまではもちろんさらなる臨床試験(治験)が必要であり、そのあと、各国政府機関の承認を経て広範な利用が可能になる。
新型コロナウイルスの治療には、そのほかの薬もテストされ、あるいは開発されている。しかし、新型コロナウィルスの治療用として公式に承認された薬はまだない。初期において有望の兆候を示した他の薬の中には、ギリアド・サイエンシズが開発した化合物レムデシビルなどがある。この薬は汎用の抗ウイルス物質として有望視されている。
画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg / Getty Images
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)