“心地よさ”をテーマに、意欲的なフルモデルチェンジを実施したホンダのコンパクトカー「フィット」。
広い室内や上質な内外装の作り込み、ハイブリッド仕様を中心としたスムーズな走りなど、見逃せない美点を多々備える新型フィットにあって、イマドキ絶対に見逃せない仕様といえるのが、クロスオーバーSUV仕立ての「CROSSTAR(クロスター)」です。
日本市場では、SUVがトレンドとしてすっかり浸透しているだけに、この“特別仕立てのフィット”もスマッシュヒットを飛ばしそうな予感。今回はそんなフィットCROSSTARの魅力に迫ります。
■エンジョイライフに応える特別仕立てのフィット
洋の東西を問わず、スペック向上をモデルチェンジのテーマに掲げるクルマが多い中にあって、4代目となった新型フィットは先のフルモデルチェンジにおいて、心地よい視界、座り心地、乗り心地、使い心地という“4つの心地よさ”を追求。スペック至上主義という従来型のモデルチェンジと決別し、新たな提案を打ち出しました。
それは、新型フィットのグレード展開からも感じられます。従来モデルは、装備の充実度合いによって各グレードに上下関係を設けていましたが、新型はシンプルな「BASIC(ベーシック)」、快適性を高めた「HOME(ホーム)」、個性を強調した「NESS(ネス)」、上質仕様の「LUXE(リュクス)」、そして、今回採り上げるCROSSTARといった具合に、スタイルの違いでポジショニングを差別化。ユーザーの好みやライフスタイルに合わせ、相性のいい仕様を選べるようになったのです。
中でも、「イマドキだなぁ」と感じさせるのが、クロスオーバーSUVスタイルのCROSSTAR。
そのテーマは「週末に出かけたくなるエンジョイライフに応える」で、専用デザインの前後バンパーやホイールアーチプロテクター、ひと回り経が大きい16インチのタイヤ&アルミホイールなどをプラスすることで、SUVらしい頼もしいルックスに仕立てられています。
■専用のタイヤ&アルミホイールで車高は最大25mmアップ
では、そんなフィットCROSSTARにスマッシュヒットの予感がするのはなぜか? それは、SUV人気の理由を踏まえれば明白です。
未舗装路や雪道での走破性の高さ、セダンやハッチバックから乗り換えても違和感のない走り、高い車高を生かしたゆとりある室内と使い勝手のいいラゲッジスペース…など、人気の理由を数え上げればキリがないSUVですが、実はフィットCROSSTARも、そうした要素を満たしたモデルなのです。
例えばCROSSTARは、足下に16インチの専用タイヤ&アルミホイールを履いていますが、これにより最低地上高は、FF仕様が他グレードより25mm高い160mm、4WD仕様は同5mm高い155mmとなっています。一見、わずかな差に思えるかもしれませんが、雪道などを走る際には、ちょっとした安心感につながるのは間違いありません。
走行フィールは、他グレードと大差なし、といったところ。パワーユニットは、1.3リッターのガソリンエンジンと、1.5リッターエンジンに2個のモーターを組み合わせた“e:HEV”と呼ばれるハイブリッドを設定。今回の試乗車は、e:HEVを搭載したFFモデルでしたが、他グレードと同様、スムーズで軽快な加速フィールが印象的でした。
ただ乗り心地については、本家のそれがとても良好なため、乗り比べると大径のタイヤ&アルミホイールを履くCROSSTARは少々硬め。シーンによってはゴツゴツとした路面からの衝撃を感じますが、それでも不快な突き上げなどはありません。
■シート生地に撥水ファブリックを採用
一方、CROSSTARの室内空間は、新型フィットの美点を踏襲しています。
フロントシート下に燃料タンクを配置する“センタータンクレイアウト”の恩恵で、前後シートのスペースはとてもゆったりしていますし、特急列車の先頭車両のように開放感満点の前方視界や、厚いクッションによる快適な座り心地と肌触りのよさを兼備した前後シート、そして、運転席と助手席との間に設けた“テーブルコンソール”などの各種アイデア装備がもたらす良好な使い勝手は、並みのSUVも顔負け。その上CROSSTARは、シート生地に撥水ファブリックを採用するなど、アウトドアレジャーでの使用も視野に入れた仕立てとなっています。
またラゲッジスペースも、他グレードと同様、使い勝手は抜群です。コンパクトカーの平均を上回る広さが確保されているのはもちろんのこと、用途や積載する荷物に合わせた折り畳み方ができるリアシートを活用すれば、背の高いモノや長尺物まで対応。自転車やサーフボードといった各種アクティビティギアも積載できるので、アウトドアレジャーの相棒としても頼もしい限りです。
それでいて、全長4090mm、全幅1725mm、全高1545mm(オプションのルーフレールを装着すると1570mm)というコンパクトカーならではのボディサイズゆえ、狭い道が入り組んだ都市部でも運転しやすく、商業施設やマンションなどで見かける機械式立体駐車場にも収まるCROSSTAR。街からアウトドアまでマルチに使えるクルマが欲しい人や、SUVに興味はあるものの駐車場事情などで泣く泣くあきらめていた人にとっては、見逃せない1台といえそうです。
<SPECIFICATIONS>
☆e:HEV CROSSTAR[クロスター](FF)
ボディサイズ:L4090×W1725×H1545mm
車重:1200kg
駆動方式:FF
エンジン:1496cc 直列4気筒 DOHC+モーター
トランスミッション:電気式無段変速機
エンジン最高出力:98馬力/5600〜6400回転
エンジン最大トルク:13.0kgf-m/4500〜5000回転
モーター最高出力:109馬力/3500〜8000回転
モーター最大トルク:25.8kgf-m/0〜3000回転
価格:228万8000円
(文&写真/&GP編集部)
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/285794/
- Source:&GP
- Author:&GP