独企業シーメンスとベルリン拠点のスタートアップUbitricityは共同で、街灯に電気自動車(EV)の充電施設としての役割を持たせる事業を展開している。両社は2015年以来、英国ロンドンで1300ものEVチャージャーを設置。
そしてこのほど、既存の街灯が全てEVチャージャーとなった「EVチャージャー通り」がロンドン特別区シティ・オブ・ウェストミンスターに登場した。
・英国で初
両社が進める街灯のEVチャージャー化は、道路を掘り起こしたりすることなく既存の街灯に充電機能を持たせるというもの。支柱から伸びたケーブルの先にプラグがある。
今回EVチャージャー通りとなったのはサザンランド・アベニュー。シティ・オブ・ウェストミンスターとのコラボレーションとして、約800メートルの長さにわたって設置されていた全街灯24柱をEVチャージャー化した。
居住エリアの通りで街灯全てがEVチャージャーとして使えるようになったのは、英国においてはこれが初めてという。
・使った分だけ請求
英国を含め、欧州ではアパート住まいの住人たちが路上に駐車することが多い。このスタイルだと、EVを購入しても一軒家に住む人のようにすぐに充電することができない。しかも、公共の充電ステーションはさほど多くないという現実がある。
だが、今回の取り組みでサザンランド・アベニュー沿いの集合住宅に住む住人は、通りに車を停めて夜間などに充電できる。そして使った分だけの料金が請求される仕組みになっているとのこと。
シーメンスの調査によると、運転する英国人の3分の1以上が、次に車を買い換えるときはハイブリッドタイプか完全電動タイプにしたい、と考えているという。つまり潜在需要はあり、充電のバリアをなくせばEV買い替えを促進でき、ひいては二酸化炭素排出の抑制につながる。そこに「EVチャージャー通り」が大きく貢献しそうだ。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/119962
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi