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車間距離10mをキープ! 5G車両間通信を用いたトラック隊列走行に成功

ソフトバンク株式会社とWireless City Planning株式会社は、5Gの新たな無線方式「3GPP 5G-NR Sidelink」(以下、5G-NR)の車両間通信を活用し、有人運転のトラックを2台の自動運転トラックが追従する隊列走行の実証実験で成功を収めた。

車間距離確保と自動操舵に成功

「5G-NR」は、3GやLTE、LTE-Advanced、5Gの仕様の検討・作成を行う標準化プロジェクト「3GPP」において2020年4月以降に標準化予定の5Gの新たな無線方式である。

両社は、「5G-NR」の無線伝送技術に基づく車両間通信を活用し、一般車両が走行する新東名高速道路にて、有人運転の先頭車両と自動運転の後続車両2台が10mの車間距離を保ったまま隊列走行する実証実験を2020年2月27・28日に実施。

その結果、「5G-NR」の高信頼・低遅延という特長を活かした車両間での制御情報の共有により、車間距離自動制御および自動操舵制御に成功した。

早期実用化へ向けて

同実験は、約20kmにおよぶ新東名高速道路の試験区間を時速約80kmで走行する3台のトラック車両間で、位置情報や速度情報、操舵情報などを共有し、目標車間距離10mでのCACC(協調型車間距離維持制御)と、後続車両のリアルタイムな自動操舵制御を実施。トンネル内を含む試験区間において、10mという短い車間距離での安定した隊列維持に成功した。

トラックの隊列走行には、車両間でのリアルタイムな制御情報の共有や、後続車両の安全確保のための監視用の大容量動画像の伝送が必要となる。高信頼・低遅延かつ大容量通信を実現する5Gは、これらの通信を可能とする技術として期待されているのだ。

両社はこれまでも5Gを活用したスマート物流や安全な工事現場の実現に向けて複数回の実証実験を行ってきた。このたびの実験成功は、車両間制御の安定化や高信頼化、後方安全確認時の視認性の向上に貢献するものであり、トラック隊列走行の早期実用化に向けて引き続き実験を行っていくとのことだ。

トラック隊列走行が実用化されれば、人手不足に悩む物流業界の解決の糸口となり得るかもしれない。

ソフトバンク株式会社

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