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MITが折り紙式フェイスシールドの量産を開始! 1時間で数千枚の切り出しも可能

新型コロナウイルスの感染患者が増えるにしたがって、地域の医療現場で個人用保護具の不足が深刻化している。こうしたなかMITの研究チームは、N3マスクと一緒に使用し、飛沫の直撃を防ぐフェイスシールドの量産を開始した。

フェイスシールドは、3Dプリントなどで量産するのに向いている個人用保護具だ。MITのチームは1枚もののシートを折って形成するタイプのフェイスシールド制作技術を開発。パーツがシンプルで量産がさらに容易になるほか、シートの状態で持ち運べばたくさんの補充が可能となる。

・現場で簡単に折れる

チームの設計したフェイスシールドは、大判カンターにより1時間で数千枚が切り出せて、コストも低く抑えられる。マスクにはフィルターが必要なので、3Dプリンターやカッターによる大量生産がむつかしいが、フェイスシールドを併用すればマスク使用の期限が延ばせるという。

シートからフェイスシールドを形成する様子を観ると、顔に合わせて3D構造に折りたたんでおり、前面、側面から首元までガードできそうだ。

チームは、材料にはPETGという一般的なものを選び、プロトタイプを制作。地元の病院に持ち込んでテストしてもらったところ、フェイスシールドが、飛沫やエアロゾルからの保護に有用なことがわかった。

・1日に5万枚生産できる

現在、1日あたり5万枚が生産でき、大判カンター所有の施設が追加されれば生産能力はさらに高まるという。チームは最初の4万枚をボストンの病院に寄付することを計画しており、施設からさらに6万枚を寄付する。

大規模なメーカー設備を保有するMITでは、フェイスシールドのほかにも、新型コロナに対抗するためのさまざまなプロジェクトが走っていて非常にアクティブ。アカデミック領域からモノの制作を促進する「Project Manus」では、新型コロナ用の個人保護用具制作についてのガイダンスが示されているほか、GitLabのページには、ヘルメット型マスク(PPH)のデザインが挙げられていたりもする。

公共領域での感染シミュレートから下水の追跡、mRNAベースのワクチン開発など多角的に新型コロナ関連ソリューションの開発に関わるMITだが、今回、個人用保護具の制作技術でもベストプラクティスを示してくれたかたちだ。

参照元:MIT initiates mass manufacture of disposable face shields for Covid-19 response/ MIT News

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