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ほぼ名刺サイズで約79g!超小型スマホ「Rakuten Mini」を使ってみた!

いよいよ4月8日から、楽天モバイルが自社回線の携帯電話サービスを始めます。すでに昨年10月から一部のユーザーを対象に「無料サポータープログラム」を提供していましたが、誰でも利用できるようになるわけです。

料金プランは1つだけ。月額2980円の「Rakuten UN-LIMIT」で、楽天回線でのデータ通信が使い放題で、国内通話もかけ放題。既存の大手キャリアに比べると、圧倒的な安さです。しかも、300万人(先着順ではない)は1年無料で使えるという太っ腹な施策も実施されます。

▲「Rakuten UN-LIMIT」は月額2980円だが、1年目は無料

しかし、ひとつ注意すべきことがあります。楽天回線のサービスエリアは、2020年4月現在、東京、名古屋、大阪を中心とする一部地域に限られます。それ以外の地域では、au回線につながりますが、au回線で高速通信を利用できるのは月に2GBまで。それ以上使いたい場合は追加チャージが必要です。

楽天モバイルは新しいキャリアですが、対応スマホは結構充実しています。現在、楽天モバイルで購入できるのは11機種。その中で、筆者が最も注目しているのは「Rakuten Mini」。手のひらに収まるほど小さくて、重さはわずか約79g。ちゃんとスマホの役割を果たしてくれるのか? いち早く使ってしました。

▲Rakuten Miniは、一括払い価格が1万9819円。カラバリは、このナイトブラックのほかに、クールホワイトとクリムゾンレッドがある

 

■とにかく小さい。それだけでも価値がある!

Rakuten Miniのサイズは約106.2×53.4×8.6mmで、重さは約79g。FeliCaを搭載するスマホでは「世界最小・最軽量」だそうです。実際、手のひらに収まるほど小さく、これでちゃんと電話ができるのか? と不安になるほどの軽さです。

▲名刺とほぼ同サイズ

ディスプレイは約3.6インチ。OSはAndoroid 9ですが、ホーム画面はアイコンが整然と並ぶ一般的なものではなく、小さい画面に適したデザインになっています。

▲ホーム画面は上下にスクロールでき、画面の中央にくるアイコンは、タッチしやすいように大きく表示される

画面が小さいので、文字が読みづらいのは覚悟していましたが、「意外と読める」「思っていたほど見づらくはない」というのが率直な感想。3.6インチって、ガラケーでは「大画面」と呼ばれる大きさで、日本で最初に発売されたiPhone 3Gの画面も3.5インチだったので、スマホとして操作できるギリギリの画面サイズと言っていいかもしれません。

▲右は5.8インチ画面のiPhone 11 Pro。マップを表示した場合、Rakuten Miniは表示できる範囲が狭いが、文字が読みやすく表示される

普通の大きさのスマホに使い慣れていると、Rakuten Miniの取り扱いには多少戸惑うかもしれません。鞄の奥のほうに入れると見つけにくかったり、スーツの内ポケットに入れると取り出しにくかったり…。

筆者はストラップ付きのスマホケースに入れて、首からぶら下げて使っていますが、これ、オススメです。軽いので、ネームプレートをぶら下げているような感覚で持ち歩けますし、多くの人が「え? それ、スマホなの?」と驚いてくれたりもします。Rakuten Miniは、そのサイズだけにも価値があると思います。

▲右側面に電源ボタンと音量ボタンを搭載

▲底部のUSBポートはType-C。ストラップを付けられる穴もある

▲筆者は市販のクリアケースにネックストラップを付けて使用

 

■意外に使えるが、過度な期待は禁物!

Rakuten Miniは、れっきとしたAndroidスマートフォンです。一般的なスマホと同じ機能を備えています。小さいながらもおサイフケータイが使えて、まだ対応機種が少ないeSIM(組み込み型SIM)に対応するなど、1〜2万円台のほかのスマホより勝っている部分もあります。指紋センサーは搭載していませんが、顔認証には対応しています。

▲楽天モバイルのスマホは、すべてSIMフリーで販売される。eSIMを採用するRakuten Miniも他社のeSIMでも使えるようになっている

小さい画面のメリットとして、片手で操作しやすいことが挙げられます。というより、両手で操作するのには向きません。2本の親指を当てると画面のほとんどが隠れてしまいます。文字入力はテンキーの操作は支障なく行えますが、QWERTYキーをミスタッチせずに使いこなすには慣れが必要でしょう。

▲ガラケーの感覚で文字入力ができる

ブラウザ、マップ、SNSなどは、さほど見づらくはないものの、画面に表示できる範囲が狭いので、何度もスクロールする手間が生じます。「YouTube」などの動画は横向きにすると、まずまずの視認性を確保できます。ですが、字幕やテロップは見づらかったりします。

▲動画コンテンツは意外に見やすい。画面が小さいので、電車の中で見ても、近くにいる人が気にならないかも

ゲームはそんなに試したわけではありませんが、グラフィックに凝った最近のゲームはプレイしづらいでしょう。ですが、筆者は通勤時にときどき楽しんでいる「2048」などのパズルゲームは、むしろ、ちょうどいい印象です。

カメラは、背面カメラが約1600万画素で、前面が約500万画素。画面が小さいので、プレビューを確認しにくのが難点ですが、明るい場所では、そこそこの画質で撮れました。ただし夜景など暗い場所で撮影すると、画質はかなり粗くなります。

▲アウトカメラは約1600万画素。背面にはFeliCa(おサイフケータイ)も搭載

▲桜の花を撮ってみた。ナチュラルな色調で明るく撮れた

▲カフェでスイーツを撮影。薄暗い場所で、ピントが甘くなりがち

▲夜景はかなり画質が粗くなる

 

■電池は1日持たないかも…

見た目のイメージ以上にフツーに使えるRakuten Miniですが、気をつけなければならないのは電池持ち。本体が小さいので、バッテリー容量も約1250mAhと控えめです。ゲームをしたり動画を見たりしているわけでなくても、電池残量がピンチになることがありました。電話やメッセージくらいしか使わない、というライトユーザーを除けば、1日電池を持たせるのは難しいかもしれません。

▲省電力機能は、Android標準の「バッテリーセーバー」のみ

しかし、バッテリー容量が少ないので、充電はスピーディーに行えます。残量が10%を切った時に試してみたところ、20分ほどで50%まで充電でき、1時間ほ充電すると90%程度に達しました。充電ケーブルを持ち歩いていれば、ちょっとした時間に、その日の不足分をチャージできるでしょう。

 

■2台目や子供用としてオススメ!

Rakuten Miniは、大人がメイン端末として使うには、我慢しなければならないことも生じるでしょう。ですが、「すでにスマホは持っているが、仕事用とプライベート用を分けるために、もう1台欲しい」というのであれば、アリだと思います。

持ち歩きやすい小さなサイズや、多くの機能を使うには適していないことは、逆に、小さい子どもには適しているかもしれません。

また、楽天モバイルは1年無料で使えるわけですから、いま使っているスマホをそのまま使い続けつつ、このスマホで楽天モバイルの使い勝手を試してみるというのもアリでしょう。

>> 楽天モバイル

 

(取材・文/村元正剛

むらもとまさかた/ITライター

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

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