最近ではさまざまなブランドから出ているヘルメットバッグですが、馴染みのない人も多いかと思います。
そもそもヘルメットバッグというのは、米軍がヘルメットや酸素マスクを持ち運ぶために採用したミリタリー由来のバッグです。現在、一般的に見かけるデザインは3rdモデルという1960年代末に普及したモノをになります。
その生い立ちから、耐久性と収納力の高さが魅力です。F/CE.(エフシーイー)の「SATIN 3WAY HELMET」(2万2000円)も、歴史的なディテールを尊重した本格仕様ながら、素材や使い勝手の良さで現代のライフスタイルにアップデートされたバッグに仕上がっています。そんなヘルメットバッグを、スタイリストの視点からご紹介したいと思います。
■珍しいヘルメットバッグの3WAY
フィクチュールというブランドが2016年に名を変えてスタートしたF/CE.。シーズンごとにテーマの国を設け、ファッションのようにバッグを発信していくスタイルで、ミリタリーバッグなどの無骨なアイテムを絶妙なアーバンスタイルに落としむのが魅力です。また、都会に住む人のライフスタイルを考えて作られた細部へのこだわりは、お洒落だけのバッグブランドではないことを物語っています。
そんなF/CE.が手掛けるヘルメットバッグ。よくあるヘルメットバッグは手持ちとショルダーの2WAYタイプですが、こちらはバックパックとして背負える3WAY。少しボテッとしたフォルムながら品のある雰囲気は、今の大人が着るストリートスタイルにぴったりです。
またヘルメットバッグには、最近のブリーフケースでもよく見られる外付けポケットが付いていて、手持ちでも違和感なくしっくりきます。ビジカジなどのONスタイルにも相性がよく汎用性の高さもヘルメットバッグの魅力の一つです。
■高い収納力と使い勝手を追求した内装
外見だけでなく内側もこのブランドの魅力です。発色のいいオレンジ色はバッグ内の視認性を上げてくれ、ポケット部分には都会に住む人のライフスタイルを想定し15インチまでのPCが入るスペースも。ただ、緩衝材が入っていないのでPCケースに入れてから収納するのがおすすめです。
ペットボトルなど濡れたものを分けられるのもF/CE.ならではの使い勝手の良さ。これからの時期に有難いポイントです。
元々はヘルメットを入れるためのバッグだけに収納力は抜群。一見、薄マチなので「これにヘルメットが入るの!?」と思ったものですが、縫製だけで拡張される仕様はミリタリーならではの機能美と言えます。
■細部までにこだわったオリジナルの素材とパーツ
オリジナルのコーデュラサテンは耐久性を備えつつ光沢もあり、バッグを品良くしてくれています。他にファスナーなど細部にまでこだわることで、ミリタリーバッグという既存のデザインながら他のブランドとは一線を画すバッグに仕立てあげられています。
これまでさまざまなバッグを見てきて、調整した時に余ったストラップがヒラヒラとしてしまうのがスタイリストという職業柄、気になって仕方なかったのですが、こんなお洒落な解決方法があったのかと驚いたのを覚えています。
F/CE.のバッグ全般に付いている面ファスナーは、デザインを損なうことなく主張しすぎず、かといって、外れてしまう事もないので今までヒラヒラするのが気になっていた人にはぜひとも体感してもらいたいディテールです。
■トレンドのグリーンをベースにアクセントコーデが今期のおすすめ
今期トレンドカラーのグリーン。寒色系のグリーンに対して暖色系のオレンジ色や黄色はアクセントにもなる色です。また、オレンジは色彩心理的にも元気で陽気な印象を与える。年度も変わってポジテティブに行きたい時期にぴったりでオススメです。
最近はワントーンコーデが流行っていますが、そこに1色アクセント的に外すのが今っぽい。オレンジ色はアースカラーとも馴染みがよく、今期挑戦したい色味です。
* * *
90年代をアップデートしたようなストリート感とF/CE.ならではの上質な雰囲気で、大人のストリートスタイルにマッチするものでした。そして、ミリタリーバッグはやっぱり惹かれます。無骨でありながらデザインに機能的な理由があり、男心をくすぐる要素しかないというのが素敵です。
色々なブランドから出ているとはいえ、メジャーではないヘルメットバッグは他人と被りたくない人にこそオススメしたいバッグです。
>> F/CE.
エフシーイーのアウター/2万7500円、Tシャツ/9350円(ルート TEL:03-6452-5867)、コンバースのスニーカー/1万3200円(コンバースインフォメーションセンター TEL:0120-819-217)
(取材・文/宇田川 雄一)
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/288412/
- Source:&GP
- Author:&GP