米国時間4月15日、Googleは家族が高品質の教育用アプリを簡単に見つけられるように、米国のGoogle Play Storeに新たに「先生が承認」(Teacher Approved)セクションを追加した。全米の200人以上の教員を含む委員会で厳しく審査され、Googleが以前から実施している「ファミリー向けプログラム」の条件を満たすアプリだけが、このセクションに表示される。
ファミリー向けプログラムでは、データ収集とターゲティング広告に関する政府の規則を守るアプリであることが求められ、広告が入るアプリの場合は子供に対して表示される広告の種類も制限される。
「先生が承認」セクションに選ばれたアプリは、ファミリー向けプログラムの最低限の条件を満たしているだけではない。教員がレビューし、高く評価している。教員が学習に役立つと指摘したものもあれば、楽しむためのものもある。
新型コロナウイルスの感染拡大で休校措置がとられ、米国のほとんどの子供たちが学校に行けないこの時期に「先生が承認」セクションが設けられた。全米教育統計センターのデータによると、現在までに少なくとも5510万人が学校での対面の教育を受けられなくなった。この変化を受けて保護者は、空いてしまった子供の時間のために教育に役立つアクティビティを考える必要に迫られている。リモート授業が実施されているとしても、ほとんどの場合、子供の1日の時間が埋まるほどではない。
Googleは、子供が使うのに適した良いアプリを見つけるのが難しいという保護者からの声を聞いたことが、Google Play Storeに「先生が承認」セクションを新たに開設した理由だと語っている。
Googleは、ハーバード教育学大学院主任アドバイザーのJoe Blatt(ジョー・ブラット)氏やジョージタウン大学のSandra Calvert(サンドラ・カルバート)博士といった教育の専門家の協力を得て、子供向けアプリを評価する枠組みを作った。ただしアプリを選ぶのは教員を含む委員会だ。委員会は、対象年齢、エクスペリエンスの品質、子供への効果、子供が使う際の楽しさなど、さまざまな面からアプリを評価する。
「先生が承認」セクションには、Google Play Storeの「Kids」タブからアクセスする。あるアプリが承認されているかどうかは「先生が承認」バッジの有無でわかる。アプリ定額サービスのGoogle Play Passでも「子供向けアプリとゲーム」セクションに「先生が承認」のコンテンツが表示される。
アプリは5歳以下向け、6〜8歳向け、9〜12歳向けに分けられている。Googleは、そのアプリが高く評価された理由も表示している。
サービス開始時点では、「先生が承認」アプリがGoogle Play Storeに約1000本、Google Play Passに約60本提示される。Googleは、Play Passのパートナーと協力して、アプリの数を今後さらに増やすよう取り組んでいるという。
テクノロジー/イノベーション/教育プログラムの上級講師で学部責任者のジョー・ブラット氏は、サービス開始の発表の中で次のように述べている。「子供と家族に対し、品質と価値に関して教員からの評価が高いアプリを集めたユニークなスペースを作るという、これまでになかった立場をGoogleがとったことは素晴らしいと思う。私はこれまで3年にわたり、学部の同僚や学生たちとともに、発達に応じた妥当性、学習への影響、魅力を正確に特定する基準づくりに取り組んできた。このたび我々はGoogleに協力して、教員がこの基準を信頼性の高い形で適用できる評価システムを構築した。私は、Googleのチームがこのプロジェクトで示した献身とプロ意識に強く感銘を受けている」。
「先生が承認」のアプリは、数日中に米国Google Play Storeの「Kids」タブに表示されるようになる。Googleは今後数カ月でこれを各国に拡大したいとしている。
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(翻訳:Kaori Koyama)