Miro(ミロ)は適切なタイミングで適切なポジションにいる会社だ。企業が職場や物理的なホワイトボードから離れ、同社が開発したデジタルホワイトボードの利用が急増している。同社は4月24日、シリーズBとしては高額となる5000万ドル(約54億円)の調達を発表した。
Iconiq Capitalがラウンドをリードし、Accelのほか多数の個人投資家が参加した。Miroによると調達総額は約7500万ドル(約80億円)に達した。同社のエンジェル投資家の中には、バスケットボールスターのSteph Curry(ステフィン・カリー)氏や東欧の投資家として最も多数の投資を手掛けた1人でオランダ在住のBas Godska(バス・ゴドスカ)氏がいる。
これほど多額の投資を引き付けたのは、このプロダクトが家から働くことを余儀なくされたときのために用意されたものだからだ。在宅勤務に関する主な不満の1つは、同僚と同じ部屋でホワイトボードを前にブレインストーミングができないことだ。同社のプロダクトはある程度それを再現する。
さらにMiroは、Zoom(ズーム)やMicrosoft Teams(マイクロソフトチームズ)などのコラボレーションツールに組み込まれているような「軽い」アドインではない。Slack(スラック)がコミュニケーションの分野で行っているような、多くの異なるエンタープライズツールとの統合を前提に設計されたプラットフォームとしての性格が強い。
Miroの共同創業者兼CEOのAndrey Khusid(アンドレイ・クシド)氏は「プラットフォームのアイデアは当初からあった。コンセプトは最初から、リアルタイムのコラボレーションのためのツールを開発することだった。プラットフォームは非常に重要だ。なぜならユーザーは、当社のプロダクトで何かを開発したいからだ」とTechCrunchに語った。
つまり、他の一般的なツールと統合し、基本ツールをカスタマイズして、個々のチームや組織のニーズを満たすことができるということだ。このアプローチは機能しているようだ。同社によると、Fortune 100の企業の80%を含む2万1000以上の顧客を抱え、利益を上げている。顧客には、Netflix、Salesforce、PwC、Spotify、Expedia、Deloitteも含まれる。
クシド氏は「パンデミックにより何百万人もの人々が自宅で働くことを余儀なくされ、ビジネスと教育の両方の顧客の利用が急増している」と言う。エンジニアリングチームが需要に応えるのは難しい課題だったが、これまでは対応できている。
同社の従業員は今週ちょうど300人を超えた。調達した資金でさらに雇用を増やす。クシド氏によると、需要の増加に対応するため年末までに150人を増員する見込みだ。
「この状況で強いチームを作る必要があると思っている。当社は予想よりもはるかに速く成長している。新型コロナウイルス危機が終了した後も同じペースで成長を維持するには、非常に強力なチームが必要だ」
画像クレジット:Maskot / Getty Images
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(翻訳:Mizoguchi)