宅飲みとホームパーティって、似ているようで非なるものじゃないですか? 自宅でおいしく楽しく!という点は同じだけど、宅飲みでは手間も時間も予算もあまりかけたくないというのがホンネです。冷蔵庫の中にある食材、あるいはスーパーやコンビニで簡単に手に入る食材で、安く手間なく失敗なく作りたい。
そんな願いを叶えてくれるのが、紹介するパナソニック「スモーク&ロースター けむらん亭 NF-RT1000」(実勢価格:2万7000円前後)。すでに発売から5年を数える調理家電ですが、使ってみたら驚くほどの優秀ぶりでした。
試したメニューは “アーモンド、チーズ、ベーコン、ほたて、イカ、冷凍餃子、手羽先” というラインナップ。どれも美味でしたが、特に後半のやつはたまらないですよ。
■いつものおつまみが一気にランクアップ!
簡単に使い方を説明しておきましょう。食材以外に用意するのは、スモーク用ウッドチップとアルミホイル。ホーロー引きの燻製容器の中央にウッドチップを大さじ2〜3程度敷いたら、食材を乗せた専用ステンレス網をセット(食材の種類によってはあらかじめステンレス網をホイルでくるみます)します。
最後に、燻製容器の表面を覆うようにしてホイルでふたをして「くんせい」ボタンで時間指定してスタート、というのが基本的な使い方です。
我が家ではおやつ用に素焼きアーモンドとチーズを常備しているので、まずはこのふたつで試運転してみます。どちらもそのままでおつまみになるけれど、正直味には飽きている。だから宅飲み用にひと工夫できたらうれしいですよね。
スモークする時間は好みに応じて調整できますが、今回は説明書に従ってまずアーモンドを20分でセット。調理中は匂いはほとんどなし、動作音も最初はほとんどありませんが、ファンが回りだすとオーブントースターのような稼動音がします。
さて待望のご対面。一見「え、あんまり変わってなくない?」な感じでしたが、水分を飛ばしてかじってみたら、ロースト感がぜんぜん違う。おいしい!
びっくりしたのはチーズ。こちらは15分スモークしてみましたが、ホイルを取った瞬間チョコのような甘い香りがぶわっと飛び出します。お味は、最初はプロセスチーズらしくさっぱり、後から濃厚な風味が追っかけてくる感じ。おやつみたいにバクバク食べるのではなく、余韻をゆっくり味わえる大人のおつまみに変身!
どちらもスーパーやコンビニですぐ手に入る食材なのに、スモークしただけで異常に旨い。なにこれ!
■食べ慣れた加工肉がワンランクアップ
気をよくして肉系も試してみました。ブロックベーコンとあらびきソーセージという、もともと燻して作られているだけに失敗なしの手堅いチョイス。ペーパータオルで軽く水気を拭いたのち、ベーコンは20分、ソーセージは15分それぞれスモーク。
どちらもホイルを外した時の香りからして、もうヤバいです。日頃食べ慣れている食材なのに、スモーキーな香りがついただけでワンランクアップ。
特にベーコンは「これ使ってジャーマンポテトとかサラダ作ったらおいしいだろうな〜」なんて妄想しながら味見の箸が止まりません。男子なら間違いなくまるかじりしたくなる野生的な味わい。これは炭酸キツめのハイボールによさそう。
■魚介類にもチャレンジ!ベビーほたては大成功
肉の次は魚! ということで、ボイル済みのイカとベビーほたて。これもどちらもそのままつまんでもおいしい素材なので、間違いないことは確信しての選択です。
ベビーほたては水分を拭って、網の上に目一杯並べて15分スモーク。焼き色はもうひとつでしたが香りはしっかり燻製風味。甘みがギュギュッと濃縮されておいしい!
そしてボイルイカ。実は今回唯一うまくいかなかったのがこれ。塩こしょうのち15分ほどスモークしましたが、水分が抜けてちょっと残念な感じに…。素材の種類や鮮度にもよると思うのですが、淡白な素材はあらかじめ味見して、必要に応じて下味をつけておくのがいいかもしれません。
■チルド餃子は新食感。これ焼くより簡単かも
せっかくなのでご当地食材も試したくなり、筆者の地元静岡グルメから浜松餃子をチョイス。といってもスーパーで1パック168円のチルド餃子ですけど(笑)。
ちょい長めの18分ほどスモークしてみたところ、外はカリカリ&スモーキー、中は熱々ジューシーという新食感のおつまみが完成。油っぽさが全くないからどんどん行けちゃう危険な味、これもビールか酎ハイですね。スイッチひとつで出来上がるから、フライパンで焼くより後片付けもラク。一人飲みならもう、毎回これでいいんじゃないかな。
■一番人気は手羽先。ロースト機能が超優秀
最後に、当家一番人気だった手羽先。こちらはいきなりスモークという訳にはいかず、燻す前に一度焼かなくてはなりません。「ちょっと面倒」と思ったんですが、じつはこの「けむらん亭」、その工程すらスイッチ一つでこなせるロースター機能があるのです。
塩を振った手羽先を焼き網に並べたら、あとは「とり肉」スイッチからの「スタート」で調理開始。食材の量に応じて自動で焼き時間を調整し、おいしく焼き上げてくれるという仕組みです。ふつうオーブンやグリルで肉や魚を焼くときって、時々焼き色見ながら火加減調節しますよね? その手間がないというだけでもう、単純にロースターとして素晴らしすぎます。
手羽先が焼き上がったら一旦取り出し、一口食べたい気持ちをグッとこらえて肉が落ち着くのを待ちます。この間に受け皿などを外してキレイに洗ってスモークの準備。
ウッドチップはちょっと多めに敷いて、20分スモークして出来上がり! こちらもホイルを外した瞬間の香りからしてすでにヤバい(こればっかりですが)。せっかくなので夕食の食卓に並べてみたところ、家族全員無言で手羽の先までしゃぶり尽くす始末。100g55円の特売品がごちそう感ある一品に変身! 遠赤外線でしっかり焼いてあるので骨離れもよく、食べやすい点も好評でした。
今回は単純に塩こしょうで調味しましたが、塩麹で漬け込んだり、酸味のあるスパイスなど効かせてみるのも良さそう。一度に作れる量がせいぜい4本程度なのと、ローストしてからスモークの前に受け皿などを掃除しなくてはならないのが面倒といえば面倒ですが、これは時間があるときにまとめて焼いておいて、食べる直前にスモークすることで解決できそうです。
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「適当な食材にちょっとスモークかけて、酒の肴に」という使い方はもちろんですが、単純にロースターとしても優秀なので、干魚や漬魚、切り身などを焼くのにも重宝。煙も匂いも気にならず、おいしい焼き魚が手軽に楽しめるのはかなり幸せ。例えば鮭の切り身やアジの干物なんかはちょっと多めに焼いて、残した分はスモークかけておいて、翌日お茶漬けにしてもおいしかったです。
ちょっとかさばるので日常使いを考えると設置スペースの確保が思案のしどころかもしれませんが、その悩みを差し引いてもなお推せる魅力たっぷり。宅飲み派にうれしい一台ですね。
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取材・文/大橋 薫
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/293006/
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