フランスのスタートアップであるBack Marketは、Goldman Sachs(ゴールドマンサックス)、Aglaé Ventures(アグラベンチャーズ)、Eurazeo Growth(エウラゼオグロース)から、新規に1億2000万ドル(約128億円)の資金を調達した。同社はスマホや他の電子機器のリファービッシュ(再生)品の市場を運営している。
Back Marketは、自社でデバイスを再生しているわけではない。その代わりに認定販売者と提携して、同社が運営するサイトに商品を掲載してもらう。売り手を安心させ、このプラットフォームで販売してもらうために12カ月の保証も用意した。
現状で、Back Marketを利用して再生品を販売する認定販売者は1000を数える。言い換えれば、以前の再生品業界は分断化されたものだったが、Back Marketはその供給と需要を集約して単一のオンラインプラットフォームにまとめた。現在、米国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ベルギー、英国、オーストリアで事業を展開している。
今回の資金調達ラウンドの後でも、同社は多くの新しい国に事業を拡大しようとは考えていない。その代わり、米国、英国、ドイツといったコアな市場により力を入れていくつもりだ。
同社としては、品質管理チームを拡充させ、リファービッシュに関する新たなサービスを導入することにしている。それによって、この業界のより多くの部分をコントロールしたいと考えている。例えば販売者向けのスペアパーツの調達や、共通のテストプロトコルの導入などが考えられる。
スマホやガジェットの再生品は、今後数年に渡って大きなチャンスをもたらすだろう。まず第1にここしばらくの間、新しいスマホに対する需要は着実に減少している。既に持っているスマホが、かなり高速で、機能的にも十分なのに、新製品のスマホを購入することを正当化するのは難しい。
第2に、環境への負担を低減する方法について真剣に考えている消費者は多い。スマホメーカーはリサイクルプロセスを非常に重視しているものの、その点では、常に中古のデバイスの方が新品のデバイスよりも有利だ。
第3に、Samsung(サムスン)、Apple(アップル)、その他のスマホメーカー、ほとんどひと財産と思えるような価格で、超プレミアムなモデルを販売している。多くの人は、1000ドル(約10万7000円)を超えるようなデバイスを購入する余裕はない。そして、そうしたデバイスも、数年のうちにはBack Marketで安価に入手できるようになる。
[原文へ]
(翻訳:Fumihiko Shibata)