キャンプ用のクッカーというと、丸いカタチが主流です。登山用には角形クッカーがありますが、決して幅をきかせているわけではありません。ところがここ数年、ブッシュクラフトや野営が注目を集めているからでしょうか、メスティンや軍もののメスキットを愛用する人が増加中。
キャンプブランドからもいくつか角形クッカーが誕生したので、その使い勝手をチェックしてみました。
1. 角形クッカー人気の火付け役
トランギア
「メスティン」(1600円/税別 ※編集部私物)
角形クッカー人気の火付け役。無加工のアルミ製で、とにかく軽い! バーナーのゴトクからはみ出てしまっても、アルミ製なので熱熱伝導率が高く、思いのほかムラがありません。アルコールバーナーのようなじんわりとした火でおいしくご飯を炊けます。
パスタは約半分の長さに折れば入ります。そして、トランギアほかアルコールバーナーを納めるのにもぴったり。
そしてメスティンの真骨頂は炊飯です。沸騰したらごく弱火で12分。汁は垂れますが、ふたがしっかりかみ合っているのでふたが大きく浮き上がることはありません。
クッカーではありますが、かわいいサイズなので食器としても優秀。汁気のないものであれば、フードコンテナとかお弁当箱がわりにもなりますよ。
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2. バーベキューの新定番
ベルモント
「リッドパン(ミニ)」(3980円/税別)
リッド=フタ、パン=鍋。不思議な名前には理由があります。フタなしのシンプルな四角い鍋は、ハンドルの向きを付け替えると高さのあるフタになるというギミックを持っています。
容量は600mlなのでソロキャンプでひとり鍋をするのにちょうどいい大きさではないでしょうか。
ハンドルの向きを上下付け替えると、同じくベルモントの「極厚鉄板(ミニ)」をすっぽり覆えます。しっかり覆ってくれるので風で表面が乾いたり、芯まで火が通りにくいなんてことを防いでくれるんです。もう、大好きなステーキ、餃子で失敗しません。
もちろん、ほかの鉄板でも使えます。ミニじゃない「極厚鉄板」用のもう少し大きなサイズもラインナップしています。
鍋にしてサッと野菜を炒めてみました。小さいけれど深いので、具がこぼれることもありません。具だくさんスープや煮物もしやすそう。底が小さいのでバーナーの火からはずれにくいのもいいですね。
>> ベルモント
3. ソロでも持って行きやすい鉄鍋
キャプテンスタッグ
「角形 ダッチオーブン mini」(4500円)
焚き火料理に重宝する鉄鍋。キャプテンスタッグからは、ソロキャンで人気の「カマド スマートグリルB6型」にちょうどいいちっちゃな角形ダッチオーブンが登場しました。
フタ裏には凹凸がついていて、ステーキ用の鉄板にぴったり。ダッチオーブンなので、フタの上に熾き火を載せて全方向から加熱できます。いわゆるオーブン料理にも使えるので、1〜2人分のグラタンやドリアなんかも作れちゃいます。小さくたって蓄熱性がよく、熱々が続きますよ!
ハンドルは2本で吊したときのぐらつきはありません。ただ、ゴトクにのせて焚き火で加熱する場合は、ハンドルを下にしたままだと熱くなるので気をつけましょう。
>> キャプテンスタッグ
4. 固形燃料の熱がすみずみまで!
エスビット
「1100ml クックセット」(7400円/税別)
アルマイト加工されたアルミクッカーと、固形燃料用のゴトクのセットで、クッカーの中にすべてを収納できます。それにしても、ふたをクッカーの端に引っかけておけるのが秀逸。
ゴトク内は中央に凹みがあり、ここに固形燃料をのせます。エスビットの固形燃料用ストーブ「ポケットストーブ」は2方向からの風を防ぎますが、残りの2方向は風の影響を受けやすいという特性がありました。でもこの「クックセット」のゴトクであれば三方向の風を防ぐし、熱を逃がしません。
一般に、固形燃料やアルコールストーブで調理すると、熱が届かない場所があり焼きムラが生まれがちですが、このゴトクは端まで熱が届きます。
四角いラーメンも棒ラーメンもこのとおり、折ったり割ったりしなくてもそのまま調理できます!
クッカーの容量は1100ml。ごはんは2合分まで炊けます。インスタントラーメン1袋作ってみましたが、具なしならギリギリ2杯いけるかも。
>> エスビット
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角形クッカーは、一般に丸形に比べて角を洗うのがちょっと大変ですが、四角いからこそバックパックへの収納がとってもラク。浅いデザインが多いので、そのままサーブできるのも便利ですね!
取材・文/大森弘恵
- Original:https://www.goodspress.jp/reports/294868/
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