ドローン最大手のDJIは米国時間5月7日、最新機種のベールをはいだ。産業向けドローンのMatrice 300は、同社のMatriceシリーズを基に作られ、長寿命バッテリーと6面に配置された障害物検出センサーに加え、最大15kmのビデオ通信範囲を備える。
Matriceは長年続いているDJIのオールインワン産業用製品シリーズだ。このシリーズのモデルは消費者向けやプロシューマー向けよりもずっと大きく実用的で、市場に合わせた機能を備えている。消費者がドローンを主にビデオ撮影に使うのに対して、企業や公共サービスはドローンによるデータ収集に目を向け始めている。
Matrice 300はデータ収集と航空測量向けにつくられている。カメラモジュールは2種類用意されていて、H20モデルには2000万画素で光学23倍ズーム付カメラと、広角1200万画素カメラに加えて、3~1200m先の距離を測れるレーザー・レンジファインダーが搭載されている。H20Tモデルでは、センサーアレイにサーマルカメラが加えられている。
さまざまな機能を統合することで、このドローンは定点撮影などの自動化機能をもっている。コントローラーの画面にマークをつけるだけで、ドローンが自動的に同じ場所同じ角度から撮影するように指示できる。移動する物体を追跡する機能もある。
DJIの他のハイエンド機種と同じく、Matrice 300にはデュアルオペレーターモードがあり、2人でドローンを操作することができる。必要なら、Matrice 300の行動範囲の反対の端にいるパイロットに制御を渡すことも可能で、そうすることで飛行範囲と安全性が飛躍的に向上する。
DJIはこの最新ドローンに数々の改善を盛り込んでいる。衝突検出センサーをドローンの6面に配置することで360度の保護が可能だ。Matrice 300に付属する新しいコントローラーには最新のフライトソフトウェアが搭載されているので、パイロットの操作も改善されるだろう。
バッテリー寿命も大きく改善された。DJIによるとMatrice 300の飛行時間は55分で、Matrice 200の38分やプロシューマー向けInspire 2の27分を大きく上回っている。デュアルバッテリー機構によって、ドローンが地上にいる間に電源を切ることなくバッテリーをホットスワップできる。
価格は公表されていない。Matrice 300は2020年後半にDJIディーラーを通じて販売される。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )