ヘッドが木炭入りの毛で、毎分3万3000回振動する電動歯ブラシを販売するスタートアップのBurstが、シリーズCの資金調達を完了した。
調達額は公開されていないが、このラウンドを主導したのはGoldman Sachs Growth Equityで、Burstによれば評価額が前回のラウンドの2倍以上になったという。ゴールドマンサックスはほかにも、最近P&Gに買収された女性用カミソリのBillieなどのD2C企業に投資している。
Burstによれば、多くのユーザーが69.99ドル(約7500円)の歯ブラシを購入するだけでなく、90日ごとに6ドル(約640円)で交換用ヘッドを受け取れるサブスクリプションを利用している。共同創業者でプレジデントのBrittany Stewart(ブリタニー・スチュアート)氏は、新型コロナウイルス感染拡大で多くの歯科医院が休診しているため、この種の製品に対するニーズはここ数カ月で伸びていると語る(歯科医は高い感染リスクにさらされている)。
「現在できるオーラルケアは、家でのケアだけだ」とスチュアート氏。
この結果、専門家によるクリーニングを安全に受けられるようになるまでは口の中を良好な状態に維持するためにBurstを使うよう患者に紹介する歯科医が増えていると、スチュアート氏は示唆した。Burstが生産を委託している中国の工場の一部は新型コロナウイルス感染拡大の影響で閉鎖されたが、在庫の計画は十分でサブスクリプションに影響はないという。
実際、BurstはD2Cのサブスクリプションeコマースモデルで歯ブラシを販売しているが、新たに2万5000人の「アンバサダー」のネットワークにもリーチしている。これは歯科の専門家が自分専用の割引コードを使って製品の紹介料を受け取れるようにしたものだ。
この手法はマルチレベルマーケティング(連鎖販売取引、いわゆるネズミ講)との類似を疑われているが、Burstと同社の投資家はアフィリエイトに近いモデルだとしている。TechCrunchとのインタビューで共同創業者でCEOのHamish Khayat(ハミッシュ・カヤット)氏は、歯ブラシやデンタルケアのスタートアップ他社と比較した場合のBurstの強みとして、専門家コミュニティとの関わりが挙げられると述べた。
「我々は起業して以来、歯科関係のイベントや歯科医院に足を運び、さまざまな情報を得てきた」とカヤット氏は語る。
スチュアート氏は、Burstは新製品を開発する際に「数千人もの歯科の専門家」に相談してきたことにも言及した。同社の製品は歯ブラシにとどまらず、フロスや、ホワイトニング用のシートと歯磨き粉にもおよび、カヤット氏は今後数カ月は子供用製品の発売に力を入れると述べた。
Burstは以前に2000万ドル(約21億3000万円)の資金を調達した。今回の投資に伴い、ゴールドマンサックスのAllison Berardo(アリソン・ベラルド)氏とHillel Moerman(ヒレル・モアマン)氏がBurstの取締役になった。
ベラルド氏は声明で「我々は、ブリタニー、ハミッシュ、そしてBurstのチームを支援できることをうれしく思う。チームは歯科のコミュニティの力を生かして、次世代のオーラルケアビジネスを構築している。Burstには明確なビジョンとブランドの価値観があり、我々は製品のラインナップに関しても市場開拓の戦略に関しても同社の先行きが有望であると確信している」と述べた。
トップ画像:Burst Oral Care
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(翻訳:Kaori Koyama)
- Original:https://jp.techcrunch.com/2020/05/08/2020-05-06-burst-oral-care-series-c/
- Source:TechCrunch Japan
- Author:Anthony Ha