世界で電子決済の普及が進む一方で、新興国などには銀行口座すら保有していない人も多くいる。世界銀行のGlobal Findex Database(2018)によれば、17億人がデジタル金融サービスにアクセスできていないとのこと。
こうしたなか、金融包括の促進を支援するMojaloop財団が設立され、Google、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、ロックフェラー財団などが初期メンバーとして参加を表明している。
リアルタイム相互運用システムのオープンソースソフトを提供
デジタル金融サービスにアクセスできない人たちは、教育や経済活動の機会が奪われている。デジタル金融サービスへのリーチ数を増やすことで世界経済の発展にもつながり、多くの企業のSDGsにも掲げられているのだが、実際進めるには障壁が多い。
まず、多様なデジタル金融サービスと決済プラットフォームをカバーするシステム構築は複雑で予算もかかるだろう。Mojaloopプロジェクトは、オープンソースソフトウェアを公開していて、技術面での参照先となるほか、戦略的ビジョンや資金調達も支援する。
また、システムの導入だけではデジタル金融サービスの普及は進まない。行政の規制やユーザーのデジタル資産に対するリテラシーなどさまざまな領域での変革が求められている。
国や金融機関、テクノロジー企業が協力
Facebookが発案のLibraも、金融にアクセスできない層のデジタル金融プラットフォームになろうとしているが、行政の規制にはばまれているのはご存じの通りだ。
Mojaloop財団の設立にあたっては、これらの領域すべての専門家、関連団体の関与が考慮されている。
ちなみに、「Mojaloop」とはスワヒリ語の「One」と英語の「loop」を合わせた造語で、多様な金融サービスと決済プラットフォームの障壁を取り除くとの使命を反映しているのだろう。
Mojaloop財団がけん引し、あらゆる国/所得レベルの人にも経済活動のループが広がることに期待したい。
- Original:https://techable.jp/archives/123618
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji