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ガチのゲーミングヘッドホンはテレカンによし音楽によし 一者三様の在宅ヘッドホン・ヘッドセット選び No.2

テレカンファレンス、ビデオチャットのある生活が日本に根付いて1ヶ月。少しでもよく相手の声を聞き取りたいし、自分の声を滑舌よく届けたいという願いから、マイクがついたヘッドホン=ヘッドセットが売れに売れています。となると気になってくるのは、以前からゲーマーやYouTuberの人気を集めていたゲーミングヘッドセットの実力です。マイクの品質は? オーディオの再生クオリティは? ゲーミングなアイテムはゲーム以外の分野でも活用できるものでしょうか。

スマホに付属のイヤホンでもテレカンOK

開放型の構造となっているA40TR。もともとドライバーの背圧のヌケがいいため、ハウジングパネルを外した状態でもサウンドの変化は少ない。

マイクがついたヘッドホン、すなわちヘッドセットは古くからコールセンターなど電話業務の現場で使われてきました。相手の声を聞きながら自分の声を伝えるという目的において、ハンズフリーなヘッドセットは手持ちの受話器よりも優れていますから。

形状は片耳ヘッドホン型、両耳ヘッドホン型、片耳イヤホン型、両耳イヤホン型の3タイプが主流。通話が目的であれば片耳タイプでも支障ありませんし、周囲の音が聴き取れるというメリットもあり。では両耳ヘッドホン・イヤホン型は不要なのかといいますと…。

そんなことはありません。特に両耳イヤホン型のヘッドセットは、もっともポピュラーな存在ですから。みなさんもお持ちのはず。スマホに付属してきましたよね、マイク付きのイヤホンが。アレですアレ。音楽を聴くこともできるし、通話もできるようにマイクも入っている付属イヤホンは、テレカン用としても使えるヘッドセットなのです。

ただし、在宅勤務中に使いやすいか、というと答えはNo。マイクがリモコン部に入っているため、自分の声を相手に届けるには、リモコンを手に持って口元に近づけないとならないため、ハンズフリーでは使えないんです。

自宅で使うなら両耳ヘッドホン型ヘッドセットがいい

剛性のあるスライダー。ベストセッティングを見つけたら、スライダーの目盛り位置を覚えておこう。

最近流行りの完全ワイヤレスイヤホンですが、多くのモデルにマイクが入っています。このタイプだと自分の声をちゃんと捉えてくれるので両手は完全ハンズフリー。キーボードとマウスを同時に使いながら会話できますし、ワイヤレスの利点を生かして冷蔵庫のドアを開けながら水を取り出しながらの会話もOKです。

ただし、声の品質をできるだけ良質なものにしたいと考えるならば、おすすめは両耳ヘッドホン型のヘッドセットです。マイクがヘッドホンのハウジングから生えており、口元までもってくることができるのが最大かつ最良のポイント。マイクと口の距離が離れるほど、マイクは小さな音が大きくなるように増幅しないとならないのですが、そのために声だけではなくエアコンのノイズや窓の外から聞こえてくる雑音なども盛大なボリュームになってしまうんですね。

オーディオ好きから敬遠されてきたゲーミング機

マイクブームは脱着可能。反対側のハウジングに装着することもできる。その際は左右のハウジングパネルも入れ替えること。

近年の両耳ヘッドホン型ヘッドセットを見ると、ゲーム用として開発されたゲーミングヘッドセットが市場の半数を占めていることがわかります。通信対戦プレイないしは通信協力プレイ時においても声でのやりとりが重視されている現在。ゲーム中の効果音を聞きながら会話にも使えるゲーミングヘッドセットを求めているユーザーの数が増えてきているんですね。

しかし従来のオーディオ好き、音楽好きの方々は、ゲーミングヘッドセットを毛嫌いしているところがあるようす。いわく、デザインが子供っぽい。音が安っぽい。装着感が悪い。などの理由があるようでして。

本当かな? 確かに安価なゲーミングヘッドセットは上記の否定意見に合致するモデルが多々ありますが、高級なモデルは長時間の利用に適した作りになっているんじゃなかろうか。

そこで仕入れてみました。Astro Gamingの「A40TR」を。

重いけど装着感の良さは群を抜いているA40TR

自由に動かせるフレキシブルマイクブームがポイント。リップノイズが入りにくい、それでいて声は入りやすい位置にマイクをセッティングできる。

PC周辺機器メーカーのロジクールが販売をサポートしているAstro Gamingは、純粋なゲーミングデバイスメーカーです。ラインナップされているモデルのなかでも、有線接続タイプの最上位モデルがこのA40TRとなります。賞金をかけて戦うeSportの大会でもおなじみのヘッドセットなのですが。

こいつが。

いい。

すごくいい。

在宅ワーク&テレカンで使うことを想定して、まずは装着感からレポしましょう。剛性感が高く、細かく位置調整が可能なLサイズボディはやや重め。そのためラフに装着すると頭頂部に重みを感じてしまうのですが、イヤーパッドがびっくりするほどフカフカ。人間をダメにするタイプ。だからうまくセッティングすると圧迫感なく装着し続けられるんです。メガネをしていても、テンプルが押さえつけられて痛くなる…なんてことはありません。

オーディオ用ヘッドホンをベースとしたヘッドセットでは、ほとんど感じたことのない感覚ですよマジで。

フレキシブルなマイクブームにも感動です。アタマのサイズを問わず、自分の口元にもってくるのが手軽で、集音性も高い。しゃべろう、と意識して声を張り上げなくてもいい。それこそささやき声くらいのボリュームでも相手に伝わります。

サウンドの品質もハイクオリティでコスパよし

ヘッドパッドの厚みはあるが、重さが分散するように装着しないと、頭頂部に荷重が集中しやすいので注意。

音もいいんだなあ、これが。左右に音場が広くて、しかもサウンドは低音がドカッとくるダイナミック系。高音も明瞭感重視でシャリつかせているからドンシャリ感が強いけど、EDMにいいし映画やドラマの視聴にもいい。近代的なポップスやHIPHOPも楽しく聴かせてくれます。

開放型なので、音漏れだらけなんですけどね。でも自宅で使うのであれば。

ネガティブなところは、ホワイトノイズがあるところ。そして唾液音などのリップノイズ、そして鼻息が入りやすいところ。前者はテレカンをしている相手にはわからないものなのでこちらがわが慣れるとして、問題は後者です。この問題を解決するにはマイクを少し遠ざけ、マイクボリュームを絞り、大きめの声でしゃべるように心がけないとならない。つまり、高性能なマイクだからこそ使いこなしのテクが必要ってことになります。

とはいえ、テレカン目的で買ってもいいでしょうコイツは。メカメカしいデザインではありますが、色が派手ではないのでビジネスシーンで使っても上司から怒られない…はず。

Astro Gaming
A40TR
実勢価格:1万6280円

Point.1 有線ヘッドホン
Point.2 オープン型
Point.3 マイクあり

公式サイト

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