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米国が「中国のハッカーが新型コロナ研究を標的にしている」と非難

米連邦捜査局(FBI)と、米国土安全保障省(DHS)傘下のサイバーセキュリティ専門とするCISAは稀に見る共同声明というかたちで、中国のハッカーが新型コロナウイルス(COVID-19)に関する米国の研究を盗もうとしていると非難した。

5月13日に出された声明文には、中国のハッカーが「新型コロナウイルス関連の研究を行っているネットワークや研究者から、ワクチン、治療法、テストに関連する価値ある知的財産や公衆衛生データを特定して不正に入手しようと試みていることが確認された」と書かれている。

「こうした部門をターゲットにする中国の動きは、米国の新型コロナウイルス対応への大きな脅威となる」としている。FBI、CISAいずれも主張の根拠を示さなかったが「『数日内』に詳細を公表する」とした。

これは、米国と英国が先週出した共同声明に続くものだ。共同声明では、「医療機関・医療研究機関に対して、ハッカーがIDやパスワードを組み合わせて連続的に不正ログインを試みるパスワードスプレー攻撃を使っている」と警告していた。これらの機関は、医療支援サービスと医療用品を一体となって提供し、事故を防止し、新型コロナウイルスの対応に集中している。

研究会社と製薬大手は新型コロナウイルスのワクチン開発を競っている。専門家に言わせると、厳しいロックダウンの規制を世界中で解除するにはワクチン開発がおそらく唯一の方法となる。新型コロナ感染が昨年12月に確認されてからこれまでに世界中で420万人超が感染しているのだ。

米当局は長い間、中国が米国のシステムをハッキングしていると非難してきた。2018年以来、司法省の検事は中国政府のために働いているといわれるハッカー数人を検挙してきた。これらのハッカーは2015年のAnthem情報漏洩、数十社ものテック大企業や政府系組織が影響を受けた事案などにかかわっていたとされ、最近のものとしては中国軍のハッカーが消費者信用情報大手Equifax(エクイファックス)から1億5000万件近くの記録を盗んだ事案などがある。

中国政府は繰り返しハッキングの疑いを否定してきた。しかし新型コロナ研究を盗むためにサイバー攻撃していると非難されている国は中国だけではない。今週初め、ロイターはイランが支援するハッカーが米国の製薬会社Gilead(ギリアド)を攻撃したと伝えた。同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」はこれまでに新型コロナウイルスの治療薬としての有効性が示された唯一のものだ。

画像クレジット: Jane Barlow / WPA Pool / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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