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コンピュータビジョンを利用して動画の特定部分のみにエフェクトをかけられるスマホ向け編集アプリ「Vochi」

ベラルーシを拠点とするスタートアップのVochiが、150万ドル(約1億6000万円)のシード資金の調達に成功した。同社は、スマートフォン向けにコンピュータービジョンベースのビデオ編集・エフェクトアプリを開発している。

今回のラウンドは、Genesis Investmentsがリードした。ウクライナ拠点のこのベンチャーキャピタルは、ダイエットアプリなどを開発するBetterMeや、アフリカでオンラインクラシファイド広告サービスを運営するJijiなどに出資している。なお今回の調達は、2019年4月のBulba Venturesからのプレシード時の資金調達に続くものだ。ちなみにVochiの創業者でCEOのIlya Lesun(イリヤ・レスン)氏は、創業以前にBulba Venturesでプロダクトアナリストして働いていた。

TikTokのようなショートムービープラットフォームが急成長している中でレスン氏は、クリエイターが差別化を図るのに役立つ簡単に動画編集ができるモバイルアプリ開発に乗り出した。

Vochiはコンピュータービジョン・テクノロジーをベースにした独自のアルゴリズムでビデオ内の単一の対象を切り出し、その部分だけに各種のエフェクトを適用できる。これによりスタイルやシナオリの組み合わせをリアルタイムで試せるので、ユニークな動画を作るチャンスの幅がかなり拡がる。高度なデスクトップソフトを使って精細度の高い動画処理をするには多くの時間とコンピューティングパワーを必要とする。モバイルデバイスでこの効果が簡単に得られ、公開前にプレビューもできるのはクリエイターにとって非常に有用だ。

レスン氏はTechCrunchの取材に対して「モバイルコンテンツの制作、視聴が拡大するにつれ、作成ツールの需要も高まっている。多様な機能を備えたビデオ編集ツールははプロ、アマ、ホビイストを問わずコンテンツのクリエーターに価値をもたらすことができる。Vochiはユーザーのポケットに収まるコンテンツ編集スタジオだ」と語る。

「Vochiのプロダクトとライバルの最も大きな差は、ビデオ内のオブジェクトに適用するエフェクトやフィルタなどにコンピュータ・ビジョンを使っていることだ。Vochはアルゴリズムによって動画内の特定のオブジェクトに分類できるので、その部分だけを編集できる。1080pのビデオのオブジェクトにリアルタイムでエフェクトを与えることができる」と同氏。

ターゲットに想定しているのはコンテンツクリエイター、つまり動画をスマートフォンに保存して終わりにするのではなく、ソーシャルメディアに頻繁に動画を投稿するユーザーだ。

「ビデオブロガーやインフルエンサーは視聴者の目を引きつけるような意外性のある動画を必要としている。面白い動画を作って友達と共有したいクリエイティブなユーザーもいるだろう。しかしもちろんスマートフォンのユーザーなら誰でも簡単にこのアプリを使うことができる」と同社は説明する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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